<車検3日目>

14 :58 スタートは443台
3日間の車検・人検(書類審査)が全て終了した。競技者らはこの後、プラザ・コロンに設置されたポディウムでのスタート・セレモニーを行い、その後最初のSS、レースが始まる。車検検査官の最終ミーティングを終了し、2012年大会へスタートできる競技者は全部で443台と確定した。内訳は、モト178台、クワッド30台、オート161台、カミヨン74台。
クワッド7台は申請したクラスのレギュレーションに適合せず、違うクラスでのエントリーとなった。マセチェック(Machacek)、ラスカヴエツ(Laskawiec)、サノク(Sonik)、ルコント(Leconte)、カンガーニ(Cangani)、アルビノウスキー(Albinowski)らで、クラス3からのエントリーになる。この処置に対し、そのうちの数名がクレームを提出した。

12:33 待ち伏せるジニエリ・ド・ヴィリエ
2009年大会で優勝したにもかかわらず、優勝候補というよりアウトサイダーといった面持ちで、いつもながら、控えめにそそっとたたずんでいるド・ヴィリエ。今年は競技車両のパフォーマンスが優勝を狙うライバルチームより劣るにもかかわらず、今年の大会でもトヨタの参戦プロジェクトにそれなりの優秀な成績を残すと思われる。「今年の目標は、このクルマで将来に向けて、ひとつでもSSを取ること。最終ゴールで成果がわかるだろう。MINIのような車のパフォーマンスはないが、モロッコ・ラリーで、まだ100%出しきっていないのが確認できた。他のチームが自らミスして、私達の順位があがることも期待できる。」

11:15  ヤマハ、強い
車検場内をシリル・デプレとマルク・コーマはかなりリラックスした雰囲気で回っていた。しかし、日本のメーカー、ヤマハが昨年に比べて著しく改良され、彼らにとってレースはかなり手ごわいものになりそうだ。2011年大会3位のエルダー・ロドリゲスはこれから始まる優勝争いをてぐすねを引いて待っている。ヤマハで2011年度ラリー・レイド・ワールド・チャンピョンの座を手にしている。チーム・ヤマハのリーダー、ダヴィッド・キャストゥは「今のところ、俺たちすごくリラックスしているが、明日からは本番だ。」チームメイト、オリヴィエ・パン(Olivier Pain)も同じバイク、ヤマハYZF450だ。

10:48 ナセル・アルアティヤ、ハマーで走り回る
昨年の優勝者、ナセル・アルアティヤが大会開始の直前になってエントリーした。チーム・ゴードンからハマーで参戦だ。車検会場でメディアにハマーを初めて披露しているが、彼はそのハマーに乗るのは初めて。「ブエノス・アイレスからマル・デル・プラタまで、つまり約500km走っただけだが、なかなかいい感じだ。充分操作しうると思うが、何分まだこのクルマをよく知らない。当初のステージはゆっくり目に走り、慣れてきたら思う存分走るつもりだ。」コ・ドライバーのロビー・ゴードンは2輪駆動のエキスパート、2009年大会でH3を総合3位まで伸し上げた実績の持ち主。「ナセルは素晴らしい腕前の持ち主だ。経験豊かな彼なので、すぐに車に慣れると思う。」

08:20 車検3日目 :スタートを待ち焦がれるトップ・ドライバー達

スタート直前の車検最終日。今日の夕方には、車検を終えた競技者やチームクルーが、スタート・セレモニーで最初の感動を味わうことだろう。現在、オート部門の優勝候補者、チームX-Raidのの番で、車検スタンドにそろそろと入場してきた。第1SSでトップを切るステファン・ペテランセルも厳かに車を動かす。「マル・デル・プラタでの車検は、いつもの車検とちょっと感じが違う。海岸のせいか、みんなまったりしている感じがする。私達もまだレースが始まっていないので、同じようにリラックス気分でいる。スタート・セレモニーのチーム紹介でいつものようなすごい観衆の声援があるとうれしいね。」

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<車検2日目>

14:15 プレッシャー高まるダヴィッド・キャストゥ
ブルーの軍団が、車検のスタンドからスタンドへと移動する。長い時間をかけて入念なチェックの跡に、エンジンをかけるキックの音。チーム・ヤマハのリーダー、ダヴィッド・キャストゥは、ダカール・ラリーのベテラン、クルーのメンバーもチームも今まで通りだが、これまでのカラーと違う。「ヤマハはうちのチームを丸抱えした。だから、僕は一人のライダーというより、企業の代表なんだ。こんな歓迎を受けてとても嬉しい。思い描いていたとおりに、僕たちのスピリッツを示すことができた。もちろん、それなりのプレッシャーはあるよ。」

14:10 アラン・デュクロ、「去年の二の舞はしない」
アプリリアと2年目のプロ契約のアラン・デュクロ。今年は友人、アルノー・ベスニエール(Arunaud Besnier)が新しくチームに加わった。「今年は、僕の他に3人目のライダーがチームに加わり、フランシスコ・ロペスのアシスタントをつとめる。去年のような結果で終わらせたくない。チャレコは間違いなくリーダーになるだろうが、ロペスを勝たせる為に全力を尽くすんだ。チュニジア・ラリーの不運がロペスを冷静にさせることになったと思う。彼はピストでもう少しリスクを押さえた走りになるはずだ。そして、僕は、トップ5に絶対入る。」

14:04 初参加、マット・ラグリーブ
マット・ラグリーブ(Matt Lagriveは、本来エンデュランスが専門。4度のワールド・チャンピョン、そして、ボル・ドール(Bol d’Or)の4度のチャンピョンでもある。今年初めてダカール・ラリーに参加する。その為に肉体強化もしなければならないし、デューンでの走りも上達しなければならない。が、車検場に現れた彼はそんなものどこ吹く風だ。「エンデューロしていて充分トレーニングした。コルビエール峠の岩場、そんなもの5分だ。デューン走行の練習にモロッコ・ラリーに出て、ほんの少し走り方がわかった。でも、砂丘のてっぺんで1回フロント・フリップしてしまったがね。」

11:33 待ちきれないライダー
シリル・デプレとマルク・コーマの車検の番は明日。しかし、その他の多くのライダーが今日の午後、車検に召集されている。午後からの車検だというのに、多くのライダーが早々、午前中からうろうろし始めた。パウロ・ゴンサルヴェスやエルダー・ロドリゲス(2011年大会で総合3位)、ポーランドのOrlenチームのヤクブ・プリズィゴンスキー(Jakub Przygonski:2011年度ワールド・チャンピョンシリーズ2位)らも同様、早々会場に姿を見せた。レースが始まるのが待ちきれない様子。
「今年の準備はバッチリだ。この間、モロッコ・ラリーに参加し準優勝した。もう、デザートのフィーリング完璧だ。」とヤクブ。

08:56 車検たけなわ
昨夜遅くまでかかって、1日目の車検・人検が終了した。車検官らによって、公式に220台のエントリーが認められ、31日のスタート・セレモニーで紹介され、1月1日に最初のSSにスタートすることになる。
車検2日目の今日も、たくさんの競技者が召集されている。特に今日はカミヨン部門の優勝候補者らの番。早朝からデ・ローイがビンテージ・スタイルのIvecoのカミヨンで姿を現した。「カミヨンのスタイルがすごく変わった。特に前部は。セキュリティの為なんだが。」と説明する。コース上でのレース前の今日、車検場内でカマズやタトラ、マンの宿敵達と顔を合わす。

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<車検1日目>

15:37 クワッド、車検パス
書類審査会場の中で、クワッドの優勝候補者たちがマッチ前のボクサーさながらの視線を交わし合う。パトロネッリ軍団がマフェイ軍団に挨拶をした。パトロネッリ兄弟、コペッティ(Copetti)、ルカシュ・ラスカヴエツ(Laskawiec)、クリストフ・デクレール(Declerck)らは700cc制限のエンジンの規定を認可された。「今回の排気量制限は良いと思う。900ccを操作するのは難しい上、非常に体力を消耗する。どちらにしても、ダカール・ラリーはクラッシックな速さを競うだけのレースではない。大きな挑戦をかけたヒューマン・アドベンチャーだから。」とアレヒャンドロ・パトロネッリ。
2007年大会で総合7位、2度のSS優勝しているトーマス・マフェイ(Thomas Maffei)は「マラソンステージはレースをしながら、助け合わなければならない、大事なステージだ。本当のダカール・ラリーだ。」

11:45 菅原、最初のカミヨンが車検終了
主に南米の競技者が召集されている今日の車検だが、午前中最初に車検テントで検査を受けたのは、日本人、菅原照仁。アンダー10ltクラスのマルチ優勝者だ。今年は新しい車両、”スーパープロダクション部門“で初めての出場だが、いつもながら準備は万端。新型カミヨンは2015年大会SS優勝に照準を合わせ、3年計画用に開発されたカミヨンだ。ライバルの超大型排気量のカミヨンに対し大きなハンディがあるにもかかわらず、”テル”は今まで通りサムライ魂で7リットルのブロック・エンジンで挑む。重量と操作性、カーブだらけのコースなどではアドバンテージがあり、SS優勝はあり得るとしても、トップ10の入賞は一筋縄ではいかないだろう。しかし、結果はいかに?何と言っても彼は昨年総合7位だったのだから。

10:15 今日は多くが南米からの出場者
車検1日目。午前中はほとんど南米からの出場者が召集されている。350台の競技車とアシスタント・カーが本日検査される。半分以上は、アルゼンチンやチリ、ペルー、ボリビアやベネズエラなどの南米からの競技者。早朝からリピーター達が再会を喜び、初参加者らと挨拶を交わし合っていた。昨年クワッドで総合2位のセバスチャン・ハルンペン(Sebastian Halpern)は今年はオート部門でエントリー。コ・ドライバーはリカルド・マルチネス(Ricardo Martinez)。
「本当にカテゴリー転換したわけじゃない。またクワッドで出るよ。これは優勝の為だ。」
もちろん、クワッドのパトロネッリ兄弟も昼近く車検に召集を受け、多くの人目を引いていた。

08:05 車検1日目、オープン
マル・デル・プラタの海軍基地に設置された会場でダカール・ラリー2012の車検が始まった。今日から3日間、ここでダカール・ラリーに出場する競技者、アシスタント・カー&アシスタント・カミヨン、プレス・カーなどの車両検査と書類の手続きが行われる。7時30分、受付でアルゼンチン人ルカ・ボネット(Luca Bonetto)が最初に召集表を提出した。先月アルゼンチン・チャンピョンシップでワイルド・カードを取り、エントリーが認められたばかりで、クワッド部門で最後のゼッケンを持つ、今大会最年少出場者だ。一方オート部門で最初の召集を受けたのは、フランス、ノルマンディのドスード軍団。ドスードは今回30回目のエントリー。

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