ダカール・ラリー2012、リマに向けてマル・デル・プラタをスタートする競技者は全部で443台。アルゼンチン、チリ、ペルーを走り抜ける8,300kmのコース。いよいよモト、クワッド、オート、カミヨンの4つの部門を競うレースの火蓋が切られる。

南米では真夏のまっさかり、いつもならこのマル・デル・プラタの海岸はバカンス客で溢れる。しかし今日は、かわいいギャルを求める野次馬の向きが少し違う。プラザ・コロンに仕立てられたポディウムで、スタートセレモニーが行われ、ダカール・ラリー2012の出場者が一人一人紹介されるのだ。いつもなら何十万人と言う観衆から、羨望のまなざしで大喝采を浴びるところだ。町中がお祭りムードの中、少し違うムードが。クワッドの7台が車検でパスできなかったのだ。ジョセフ・マチャセック(JosefMachacek)、ルカシュ・ラスカヴエツ(Lukasz Laskawiec)、クリストフ・デクレール(Christophe Declerck)、ラファウ・サノク (Rafal Sonik) 、アントワーヌ・ルコント(Antoine Leconte)、ノルベルト・カンガーニ(Norberto Cangani)、マシエス・アルビノウスキー(Maciej Albinowski)の7名。車両が市販者からあまりに改造されすぎており、クワッド部門では「プロトタイプ」のクラスは無い。スタートは認められたものの、7人のクワッド競技者はリザルトに記載されない。パトロネッリ兄弟の優勝への道はこれまでになく開かれているかに見える。

一方モト部門でもスタートできないライダーがいる。アメリカ人Iain Stevenson、Neil Scott-Thomas、Darryl Curtis 、Greg Raafの4名、せっかくアメリカからやってきたにもかかわらず、彼らのバイクを積んだ船がデルタ・ドックに到着したのは12月31日で、車検に間にあわなかったのだ。最初の時間制限に間にあわなかった4人に書類手続きを行い、通関処理の優遇を図ったが、それでも最初のSSに間にあうかどうか?1月1日朝5時にバイクの検査をするという特別措置がとられることになっている。

リマの優勝を見据えた2人、シリル・デプレとマルク・コーマは、今年は同じチームで同じオレンジカラーに身を包む。二人ともリラックスムードで、これまでのレース前と少し雰囲気が違う。「俺たち二人、いつもより気楽な気分なんだ。こんな感じでスタートする方が全然良いね。」とデプレ。

オート部門では、ナセル・アルアティヤがかつてのライバル、ロビー・ゴードンといっしょにカタール色のハマーH3のコックピットにたたずむ。そして元チームメイト、ペテランセルを押さえることが、彼の連続優勝ということになるのだろう。なぜならペテランセルは10度目のタイトルを狙っているのだから。

LINEで送る