車検2日目、カミヨン部門が召集された。カマズチームやデ・ローイらが紹介され、優勝に向けての意欲がひしひしと伝わる。オート、モト部門でも、多くのアウトサイダーが戦略を練る。

「すごいねぇ。ビバークがブルーカラーだ!」とエチエンヌ・ラヴィニュがマル・デル・プラタの海岸を走りながら歓声をあげた。避暑客の別荘とずらりと船が並ぶマリーナ、そして海軍基地の中に設置された車検・人検(書類審査)会場を一回りする。ウェイティング・コーナーをしつらえられた桟橋で、車検の番を待つ競技者が、最後の調整に余念がない。早朝から、デ・ローイやカマズ、タトラ、マンなどのカミヨンが順番を待つ。競技者やオブザーバーらは口々に、今年のカミヨン部門のレースはかつてないほどオープンだと言う。チャギンとカビロフがレースを離れ、ニコラエフや若いマルデーブが優勝に最も近いというところか。カミヨンのポテンシャルのハンディキャップは昨年より縮小し、むしろ技術的な差がものをいうレースになるとデ・ローイチームの3番手、ミキ・ビアシオンが語る。「カマズを負かすには、競争力の強いカミヨン数台で構成されたチームでないとならない。今年は、その点デ・ローイが理想的なチームを仕立て上げた。まぎれもなく優勝のチャンスだ」と、過去2度の優勝者は自信ありげに語る。

アレス・ロプライスは、「我々のカミヨンは彼らのレベルとは違う。だから、ステージ優勝で満足だ。」と、シルク・ウェイラリーでカマズを押さえたにもかかわらず、やや控えめな意見。

スーパーパワーのカミヨンがその力を見せつけるかのようなデモンストレーションをしている傍らで、オート部門の車検は、ドスードチームのクリスチャン・ラヴィエイユから始まった。プロト011でトップ5入りを目指す。モト部門は、デプレやマルク・コーマの車検は明日だが、その他のライバル達が本日車検を受けた。エンジン交換のペナルティについては、今日もライダーらの話題の中心。

シェルコでトップ5入りを目指すフランス・ヴェルホーヴェンは「私達はエンジン2台でやる積り。優勝候補の中で1台だけで走り切れるライダーなどいない。エンジン交換は8日目くらいになるかな。」

ワールド・チャンピョン戦で準優勝のJakub Prizygonskyは「皆1回は交換するが、2度交換する人はいないと思う。だから、今まで通りさ。」

ヤマハ・フランスのオフィシャル・ワークスのライダー、ダヴィッド・キャストゥは「多分1回はエンジン交換するだろう。しかし、うちのエンジンはダカール・ラリーを交換無しで走るキャパがある。テストで12,000km走行しているんだ。」

エンジンン交換について、ライダー達が意見を交換し合う中、チャレコことフランシスコ・ロペスは、「特に戦略も無いし、野心もない。ここにいられるだけで充分さ。さあて、これからどうなるか。ともかくリマに着きたい。」

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