オート&モト&クワッド:リエゾン(移動区間) 450km+SS(競技区間)481km=合計931km
カミヨン:リエゾン(移動区間) 599km+SS(競技区間)267km=合計866km

931kmもある今大会最長のステージで、WRCのようなコース。オート、モト&クワッドは481kmのSSで、ゴール後すぐにビバーク。しかしカミヨンはCP4(km267)でゴールした後、オンロードでビバークに向かう。低い山の中の両側に草木が生い茂る道幅の狭いコースでスピードは出しやすいが、どこに落とし穴があるかわからない。最終ゴールまであと1日となったこのSSで、些細なミスですべてを失うことの無いよう、細心の注意が必要だ。

朝8時、全競技者がコンボイでSSスタート地に向かってビバークを出た。今日のスタートにはモト85台、クワッド25台、オート69台、カミヨン46台。

SSスタート地までリエゾンを約450km近くも走らなければならないので、全体にスタート時間が遅い。モトの第1走者のスタートは9時20分、オート11時57分、カミヨン14時20分。ウェイ・ポイントが11か所もあり、モト部門トップ走者でもSSをゴールするのに6時間以上もかかった。

昨日SS優勝で総合3位に上昇したアントワーヌ・メオ(KTM)、そして、今度は2位のステファン・ソヴィツコ(KTM)と7分の差。4位でメオを追うキンタニーリャとは1分33秒差、この3人のバトルが今日はどのように展開していくのかが気になるところ。

ヒルボネンとロドリゲス初のステージ優勝、ペテランセルとプライス確勝に近づく

ビジャ・カルロス・パスのゴールに向かって、オート部門6回目の総合優勝まであと一歩となったペテランセルはリスクを冒さなかった。一方2台のトヨタと2台のMINIのクルマが厳しいステージ優勝を争う場となった。そして、ミッコ・ヒルボネン(MINI)が初めてのダカール・ラリーにして初めてのステージ優勝を果たした。モト部門でも同じシナリオ。総合トップのトビー・プライス(KTM)は制御モードの走りで、一人エルダー・ロドリゲス(Yamaha)が爆発した。初めてのSS優勝、総合でも4位に浮上。アントワーヌ・メオ(KTM)はゴール手前20kmで転倒し、トップから38分遅れで、総合順位3位落としてしまう。

オート部門 :今日は2台のトヨタと2台のMINIの何という激しい戦い!4台が狂ったようにスピードを上げて走った。Toyota Hilux向きのコースで、2人の南アパイロットはここぞとばかりスタートからかっ飛ばした。最初のCPをナセル・アルアティヤが制したのもつかの間、2台はすぐに追いつく。

全てのチェック・ポイントは4台が僅差で交代しながら走った。最後、プルターがステージ優勝に向かって飛び出した為か、ジニエリ・ド・ヴィリエは追い上げを緩めた。その時MINI2台も同時にダッシュしたが、ナセル・アルアティヤは一瞬遅れ、チームメイトのミッコ・ヒルボネンが大きな賭けを射止めた。WRCで取った杵柄、スウェーデン人は最後20kmでステージ優勝を手にした。

結果、SSの順位は4人が1分以内の僅差、1位のミッコ・ヒルボネン(MINI)と2位ナセル・アルアティヤ(MINI)9秒、3位リーロイ・プルター(Toyota)45秒、4位ジニエリ・ド・ヴィリエ(Toyota)57秒の差。

総合順位はあまり動きがない。リーダー、ステファン・ペテランセルは気負いを上げることもなく“チーム内合同走行”の1日。こればかりは責められない。あと総合まだ386kmだというのに、これ以外の走りができようか?11分遅れでSS9位でSSを終えた。

ロサリオの最終ゴールまであと1日となった今夜、“Mrダカール”と彼のプジョーDKR2008は総合順位で2位のナセル・アルアティヤ(MINI)に40分、3位のジニエリ・ド・ヴィリエ(Toyota)に1時間7分のアドバンテージを持った。総合優勝がほぼ確定した傍らで、明日ヒルボネンは4’27”の差にいるド・ヴィリエを追い上げ表彰台を狙うのだろうか?

モト部門 :リーダー、トビー・プライス(KTM)は平穏な日であるようにと願っていた。そしてその通りになった。SS最初からチームメイトのアントワーヌ・メオにエスコートされ、481kmのSSゴールまで絶対ミスしないよう走った。幸い、総合トップの位置は不動のものとなった。

エルダー・ロドリゲス(Yamaha)にとっては今日しかなかった。彼はなんとしてもステージ優勝がほしかったが、これまでそれがかなわなかった。そしてできるものならケヴィン・ベナビデス(Honda)との5分の差を縮めて、総合5位に上がりたかった。SS最初から最後までアタックして、彼はYamahaとの契約を完璧に守った。彼はHondaに6分余りの差をつけてSSを制した。アントワーヌ・メオ(KTM)の不運も手伝って、彼は総合4位に浮上、3位のライバル、ケヴィン・ベナビデス(Honda) とは2’59”の差だ。

ここまでノー・ミスのアントワーヌ・メオが今日は劇的な不運に見舞われる。今朝3番目のスタート、チーム・オーダーに従ってプライスの総合優勝の為にサポートに徹して走っていた。なんと、なんとゴールまで僅か20kmというところで転倒してしまう。手を怪我し、他のライダーと共にゴール、トップから38分もの遅れになってしまった。

総合順位ではトビー・プライス(KTM)が2位のステファン・ソヴィツコ(KTM)に37分の差。3位はパブロ・キンタニーリャ(Husqvarna)、53分の差。これだけのタイム差であれば論理的にはロサリオの最終ゴールの順位はほぼこのままだ。

もしトビー・プライス(KTM)が総合優勝ということになると、ダカール・ラリー史初めてのオーストラリア人の優勝ということになる。ダカール・ラリー史に新しい記録が書き込まれるまであと一歩。

三橋淳はSS65位、総合56位。完走まであと1日!

クワッド部門 :パトロネッリ兄弟の弟マルコスは最初からアタックにかかった。最初のウェイ・ポイント(km50)で既にライバル、ブライアン・バラガナット(Yamaha)に1分半もの差で通過。しかしその後スピードを緩め、CP3(km284)では地元アルゼンチンのゴンサレスに追い越される。その後パンクでストップしたゴンサレスを追い越し、最後マルコスが本日のステージを制した。

総合順位は、トップが弟マルコス・パトロネッリ。昨日は兄だったので今日は交代した。そして、安全第一の走りの兄アレヒャンドロ・パトロネッリは総合2位、4’23”の差.。3位のセルゲイ・カリヤキンとは1時間52分もの差がある。

カミヨン部門 :今日はモト、クワッド、オート部門のコースの半分、CP4(km267)のコース。SS最初からピーテル・フェルスルイス(MAN)がアタックにかかり、先を行くエドワルド・ニコラエフ(Kamaz)を追い越し、最後までトップ・タイムで走り切った。
総合順位ではジェラルド・デ・ローイ(IVECO)が2位のアイラット・マルデーブ(Kamaz)、3位のフェデリコ・ヴィジャグラ (IVECO)らに1時間以上の差をつけている。

今日のWRCのようなコースはエンジンの小さいチーム菅原にとってはやや不利なステージ。ジュニア照仁はSS20位、総合で13位、父義正もSS35位、総合28位と双方、総合順位が上昇した。

ビデオ映像:http://www.dakar.com/dakar/2016/us/stage-1300/videos-galery.html


ダカール・ラリー、第12ステージのビデオ映像「Car/Bike」の中で菅原義正さんが 紹介されています。3:45からの”Another Dakar”というコーナーです。

菅原義正さん映像:http://www.dailymotion.com/video/x3mof5p_stage-12-summary-car-bike-san-juan-villa-carlos-paz_sport

「74歳の菅原義正さ ん、2016大会出 場者の中で最高齢者。参戦33回目のダカール・ラリーだが、 モト、オート、カミヨンすべてのクラスで参戦した。
現在カミヨン部門で30位、 最終ゴールほ最高の幸せまであと1日だ。」

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