ブエノス・アイレスをスタート、ゴールとする南米大陸に描かれた巨大なループ・コース、それは過去と将来の両方の姿であり、この7年間我々を成長させてくれた南米へのオマージュだ。そのループ・コースは、2009年にアルゼンチン・チリを見出した南米初のダカール・ラリーを彷彿とさせる。

未知の世界へ飛び移った時からダカール・ラリーは、ラテンアメリカ色を帯びながら、現地の人々との繋がりを深める昔からの資質、ありとあらゆる状況を対処することを可能にする柔軟性でその能力を開花させてきた。レースの本質を変えることなく、ダカール・ラリーは新しいカルチャーを一段と充実させてきた。

南米最初の大会には、南米から40台あまりの競技者が参加したが、前大会はその3倍もの数にのぼった。その中のハイ・レベルな競技者にはイグナシオ・カザレ、オーランド・テラノヴァ、チャレコことフランシスコ・ロペス、チャヴォことサルヴァティエラらがいた。

この7年間にわたって、ダカール・ラリーは多くの競技者を迎えてきた。ダカール・ラリーは新しい国に迎え入れられ、現地で熱狂的な歓迎を受け、我々を感動させてくれた。アルゼンチン、チリの変わらぬ忠誠のお蔭で、私たちはアンデス山脈のコルディエール峠を毎回通過することができ、また幸いにも、今年も再度アタカマ砂漠の中にコースを設置し、本格的な “イキケのお祭り”が実現できそうだ。過去に当大会のホスト国となり、今後も深い絆を保ち続けるペルーは、サハラ砂漠なみの過酷な砂漠で我々を驚かせた。また、ボリビアはウユニ湖と住民の笑顔で競技者を魅了した。

何よりも、南米のバラエティに富んだ大地は、今までと違うコース、マラソン・ステージ、日にちをすらせた休息日のビバークなど毎年新しいコースづくりを可能にしてくれる。ダカール・ラリー2015は、2009年以来蓄えてきたダカール・ラリーのノウハウを開花させ、他にはない大会となる。

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