第5ステージ : チレシト – トゥクマン
リエゾン:384 km SS:527 km
 

今日のコース

 
モト&クワッド部門とオート&カミヨン部門が別々のコースを走った2日間の後、今日はいつも通りの全者単一コースに戻る。SSの大部分が砂路面で、非常に忍耐が強いられる上、ナビゲーションも超ハイレベル。しかもこの地域は気温も高く、長く厳しい一日のリスク満載のコースだ。今日のSSでは、先頭集団から離脱する者、マシーンを痛め、ビバークで徹夜の修理が必要な者など、波乱の日となることが予想される。

今日のSSは211km のSSパート1、ニュートラルゾーン111km、205km のSSパート2で構成される予定だった。しかし、気温が47℃にも達し、主催者が安全上の理由からコース変更。モト部門は、SSパート2をキャンセル、オート&カミヨン部門も107km(CP1まで)に縮小された。
 
 

コマとナニ・ローマ、カタルーニヤ人がステージを制す

 
ダカール・ラリーで3度の優勝記録を持つマルク・コマが本日のステージ優勝。同国人ナニ・ローマがオート部門でステージ優勝、ライバルナセル・アルアティヤに30分近いアドバンテージをとった。ジェラルド・デ・ローイがカミヨン部門総合トップをキープ、総合2位のアンドレイ・カルギノフ(Kamaz)に30分以上のタイム差をつける。

この4日間で優勝候補者らがさまざまな理由でポディウム獲得に苦労したり、戦線を離脱したりしている一方、大会第5ステージの今日ライバルたちに大きくタイム差を開けて,コマがステージを制した。

今朝は昨日ステージ優勝したホアン・ペドレロ・ガルシア(KTM)がSSの第1走者。前を走るペドレロやチャレコことフランシスコ・ロペス、バレダらを追い越し、マルク・コマはライバルたちを大きく引き離しトップ・タイムでパート1のゴールを通過した。2013年大会で肩を怪我したコマだが、今日のSSでは大きなナビゲーションミスもせず、リスクを避けながら走りきった。一方ライバル、パウロ・ゴンサルヴェス (Honda)はバイクから火が出てリタイア、シリル・デプレはエンジンのオーバーヒートやナビゲーションミスなどで45分ものタイム・ロスした。ホアン・バレダ(Honda)やオリヴィエ・パン(Sherco)は50分以上の差をつけられた。

チームの結束はマルク・コマの絶対譲れないコンセプトの一つ、それを示すかのように彼のウォーターキーパーのジョルディ・ビジャドムス(KTM)もゴールに13分遅れで到着する。

SSパート1が終わったところで、一瞬運が手から離れたかと思った。燃料タンクから漏れていたのだ。ビジャドムスと一緒になんとか修理しホッとしたところ、そこにパート2がキャンセルになったとのニュース。最終的に総合タイムでもコマはトップに浮上、2位のホアン・バレダ に41分、3位のチャレコことフランシスコ・ロペスに53分もの差をつけることになった。

クワッド部門は、モト部門同様、SSのパート2がキャンセルになり、順位に大きな変動はなかった。ステージを制したのはセルジオ・ラ・フエンタ、通算3度目のSS優勝。総合トップはセルジオ・ラ・フエンタ、2位イグナシオ・カザレ(Yamaha)、3位にラファウ・サノクと続く。

オート部門でもカタルーニヤ人、ナニ・ローマが最上のパフォーマンスを見せた。もちろん、その成果の陰にはコ・ドライバーのミッシェル・ペランの完璧なナビゲーションの助けも見逃せない。前大会以来、彼ら二人は、ハンガリー・バハ、スペイン・バハ、デザート・チャレンジ(アブ・ダビ)、デサフィオ・ルータ40(アルゼンチン)で負けなしを続けている。そしてこの二人のコンビはローマがリズムをキープ、ペランがナビゲーションでの冴えを維持し続け、このダカール・ラリー大会でも続いているようだ。特に今日のナビゲーションは冴えわたっていた。

今日のSSゴールで、かつてのモト総合優勝者(2004年)は、次席のジニエリ・ド・ヴィリエに4’20”の差をつけてゴール、カタルーニヤ人のダブル優勝は、ファンを喚起させたに違いない。一方、カルロス・サインツはチレシトをリードしてスタートしたにも関わらず、km163で彼のバギーが電気系トラブルでストップ、結局ローマに1時間15分もの大差をつけられてしまう。

しかしナニ・ローマも決してうかうかしてはいられない、SS2位のジニエリ・ド・ヴィリエ(Toyota)はわすか4分あまりの差、チームメイトのオーランド・テラノヴァも20分あまりの差でゴールだ。相変わらずナセル・アルアティヤは野心満々、ステファン・ペテランセルもわずか39分の差で、このまま4位の位置に甘んじているとは思えないし、ライバルジニエリ・ド・ヴィリエ(Toyota)も41分の差で虎視眈々と逆転を狙っているはずだ。

総合順位では、サン・ミゲル・デ・トゥクマンのゴールで、Mini4台がトップ5を凌駕している。

カミヨン部門では、ドミトリー・ソツニコフ(Kamaz)が初めてのステージ優勝。総合ではジェラルド・デ・ローイが1位、Kamazのカギロフ、ニコラエフ2台が2,3位と追いかける。昨日まで総合2位にいた同国人、マルセル・ファンフリートは8位に後退、トップとのタイム差2時間あまり。


US – Stage 5 – Car/Bike – Stage Summary… 投稿者 Dakar

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