1月14日 (月)  第9ステージ   トゥクマン → コルドバ
モト&クワッド: リエゾン: 176 ㎞ SS:593㎞ リエゾン:83km
オート     : リエゾン: 175 ㎞ SS:593㎞ リエゾン:83km
カミヨン    : リエゾン: 324 ㎞ SS:291㎞ リエゾン:82km

今日のコース :

総走行距離852kmと今大会最長のステージ。モト&クワッド、オートのSSは593km、途中122kmのニュートラル・ゾーンを含むSSパート1、SSパート2に分かれる。一方カミヨンは293kmでSSはひとつ。そして、休息日の後の最初のステージの今日、最初にスタートするのはいつもと違ってカミヨン部門から。コースがまだ荒れていない最初のスタートをするのは、ほとんどモト&クワッド部門で、カミヨン部門がスタートするのは珍しい。本日のカミヨンのSSはハイ・スピードコースで、弾丸ライナー向き。

モト&クワッド、オートのSSは森林の中の細いカーブだらけの林道を走るコースで、カミヨン部門の倍の距離という長い距離に加え、高度な走行技術を求められる。森林の中の小道なので、クイック・アシスタント・カミヨンはサポートに入れないので、ライダーやドライバーは細心の注意を維持する必要がある。モト部門はトップ18人が1時間以内にスタートするので、成績の¥にギャップを出せる絶好のチャンスとなりそうだ。

カミヨン部門は324kmのリエゾンを4時15分スタートの後、8時40分から293kmのSSとなる。本日スタートするのは65台、第8ステージでSS優勝のジェラルド・デ・ローイが第1走者。
一方、モト&クワッドは4時40分に176kmのリエゾンをスタートの後、7時40から593kmのSS。モト部門、今日のスタートは140台、第1走者はホアン・バレダ (Husqvarna)、クワッド部門は27台、南アのサレル・ファン・ビヨン(Sarel Van Biljon)が第1走者。
オート部門は6時58分に176kmのリエゾンをスタートの後、10時13分から593kmのSS、スタートするのは106台、ゲラン・シッシェリが第1走者。
 

燃え立つシリル・デプレ、
完璧なステファン・ペテランセル、ナセル・アルアティヤはアウト!

 
フランス人ライダー、シリル・デプレが今大会初めてのステージ優勝を果たした。 第7ステージでギア・ボックスの故障+エンジン交換に対するペナルティにより総合5位に後退したが、今日の成果で2位に浮上、トップとの差5’23 となった。オート部門ではMiniが活躍、ナニ・ローマが今大会2度目のステージ優勝、ステファン・ペテランセルはライバル、総合2位との差を大きく開けることになった。ナセル・アルアティヤは不運の一日。カミヨオン部門ではエドワルド・ニコラエフが総合トップに上がった。 総合トップにいたジェラルド・デ・ローイは最悪の日。

シリル・デプレはリマをスタートした時以来、ツイいる日を待っていた。そしてやっとその日が来た。今日はSS11番目のスタート、トップから24’26後に走り始めた。今日の第9SS、タイヤとブレーキにとって非常にハードなハイ・スピードの超ロングステージで、彼はパーフェクトな走りを見せた。SSパート1の間中、アタックし続け、その後はタイヤをいたわるように走り抜き、ついに通算31回目のステージ優勝を手にした。SS2位のホアン・バレダ(Husqvarna)に4’03ものタイム差をつけてのゴールだった。スペイン人、ホアン・バレダは午前中転倒したにもかかわらず、シリル・デプレを果敢に追い上げSS2位、SS3位は同じHusqvarnaのチーム・メイト、アレッサンドロ・ボットゥリ、1’11の差だった。

一方、Yamahaにとっては残酷な一日。休息日前の第8ステージ、トゥクマンで総合トップになったダヴィッド・キャストゥが、森林の細い小道の中、km120地点でいきなり飛び出した牛に衝突、右肩を脱臼し、バイクもタンクに穴があくなどの損傷を受けた。他のライダーに燃料を分けてもらうなどして、レースを続けたが、SSゴール手前km15で再び故障。トップと2時間あまりも遅れて、ようやく歩いてゴールした。SSパート1の終わった時既にドクター・ストップがかかっていたのを押し切って走りきったが、この先レースを続けるのは難しそうだ。

一方先週、第4ステージから4日間総合トップを抑えていたオリヴィエ・パンも、不運のYamahaを慰められない。彼も何度も転倒し、32分あまりトップと送れ、総合2位から6位に後退した。比較的不運の中でもマシだったのは、チャレコ(フランシスコ・ロペス)、転倒したにもかかわらず16分のタイム・ロスで済んだ。

結果、総合順位の大きな交代があった。総合トップに浮上したのはポルトガル人ルーベン・ファリア、シリル・デプレのウォーター・ポーターだ。総合2位がシリル・デプレ、5’23差。総合3位、チャレコ(フランシスコ・ロペス)、9’06の差。

クワッド部門は、ルカシュ・ラスカヴエツ(Lukasz Laskawiec)がダカール・ラリーで通算2度目のステージ優勝、マルコス・パトロネッリに1’05”の差だった。総合順位はマルコス・パトロネッリが相変わらずトップをキープ、2位のイグナシオ・カザレに1h32、3位のラファウ・サノクに2h08もの差をつけている。

オート部門では、ジニエリ・ド・ヴィリエが本日トップ・タイムでSSパート1を通過、今大会初めてのステージ優勝を、長い間の悲願をトヨタにもたらすかに見えた。しかし、長丁場のSS後半Km 423でブレーキの故障、トップに9’39遅れでゴールすることとなった。SSを制したのはMiniのカタルーニヤ人、ナニ・ローマ、ダカール・ラリー通算13度目のステージ優勝、2位のステファン・ペテランセルに4’11の差。2位は地元アルゼンチンのオーランド・テラノヴァ、6’54差。

それでも、今日、誰よりも注目されたのはナセル・アルアティヤではなかろうか。ドライブ・ミスで木にぶつかり(と後方を走っていた競技者の証言)、その後SSで何度もストップすることになってしまった。これにより、カタール人、アルアティヤの総合優勝の希望は無くなり、総合トップにいたペテランセルの座を一層安泰させることになる。ペテランセルは現在、総合2位のジニエリ・ド・ヴィリエと49’31の差、総合3位のレオニド・ノヴィツキーとは56’03の差。

カミヨン部門、今日は例外的に、全部門のうちのトップ・スタートの日だった。コース・オープンできると希望に燃えていた第1走者ジェラルド・デ・ローイだったが、ターボやステアリングの故障に重ね、パンクと不運が重なった。結果、昨日までの総合優勝の座を明け渡し、トップと1時間25分の差。

本日のSSを制したのはアレス・ロプライス、今大会初めてのステージ優勝、通算5度目。しかし、2位のペーター・ベルシウス(Man)とはわずか7秒差。

本日のジェラルド・デ・ローイの不運のお蔭で、Kamazのエドワルド・ニコラエフがSS6位(+3’34)にもかかわらず、総合トップに浮上した。総合2位のチェコ人マルタン・コロミー(Martin Kolomy :Tatra)は17’56の差、総合3位はロシア、アイラット・マルデーブ (Kamaz)で33’32の差。ジェラルド・デ・ローイは総合4位に後退、トップと59’56のタイム差となった。

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