オート :リエゾン(移動区間) 485km+SS(競技区間)278km=合計763km
カミヨン :リエゾン(移動区間) 237km+SS(競技区間)431km=合計668km
モト&クワッド :リエゾン(移動区間) 283km+SS(競技区間)278km=合計561km

マラソン・ステージの後半となる今日のコースは、ベレンを離れてラ・リオハへ南下する。今日もほとんどが道なき道の広大な荒れ地が選手らを待ち受ける。まだ続く砂漠の中の難しいコース選び、かつてないほど長い砂丘セクション。ロザリオの最終ゴールまで完走するには、今日いかにマシンと人を保存できるかにかかってくる。

そして、夜間の雷雨でコースは濡れ、特にSS最初のコーナーのリオ(枯れ河)に水が溜まってしまった。競技オフィシャルが現場を探索し、予定より1時間遅れて8:00にスタートした。本日スタートするのはモト97台、クワッド32台、オート100台、カミヨン50台。

女性ライダーのNo.12レイア・サンス(KTM)は現在総合17位、そしてナニ・ローマのガールフレンド、No.93ローサ・ロメロ・フォント(KTM)も78位。一方クワッド部門ではNO.259カメリア・リポラティが21位、No.281ゴヴァドンガ・フェルナンデス・スアレスも総合27位と頑張っている。なんという強靭な女性たち!

今日のスタートはダカール・ラリー史初めてのスタート様式。オートのトップ10台とモトの10台、カミヨン5台が入り混じって出発になる。

まず3分毎にモト5台:トビー・プライス(KTM)、ケヴィン・ベナビデス (Honda)、ステファン・ソヴィツコ(KTM)、パブロ・キンタニーリャ(Husqvarna) 、リッキー・ブラベック(Honda)がスタート。そして次は4輪の4台が3分毎に。カルロス・サインツ(プジョー)、エリック・ファンローン(MINI)、ミッコ・ヒルボネン(MINI)、ジニエリ・ド・ヴィリエ(Toyota)。アントワーヌ・メオ(KTM)、ナセル・アルアティヤ(MINI)、その後モトが4台、そして、カミヨンのジェラルド・デ・ローイ(IVECO)、シリル・デプレ、ステファン・ペテランセル……という具合。

11時58分、SSの最後部30kmがキャンセルになり、競技はCP5(km244,7)までと変更になった。

デモンストレーションのペテランセル、コントロールのプライス

長いふかふかの砂丘コース、難しいナビ、多くの競技者がスタック、転倒を繰り返した悪魔のようなコースの今日、オート部門でステファン・ペテランセル(プジョー)が叩きのめした。これでもかというほど盛りだくさんの難関を超え、弾丸のように走り抜いた。ライバルたちがトラブルに見舞われた、大きくアドバンテージをとって総合首位に返り咲いた。残りロサリオの最終ゴールまで3日となった今夜、彼の総合優勝を阻止することは相当難しそうだ。

そして、疾風のようなペテランセルに後に、チームメイトのデプレがSS2位のゴール。ライバル、ナセル・アルアティヤ(MINI)、ミッコ・ヒルボネン(MINI)、カルロス・サインツ(プジョー)、セバスチャン・ロエブ(プジョー)らは砂丘の餌食となってメカ・トラブルやスタックに苦しんだ。

モト部門ではステファン・ソヴィツコ(KTM)がダカール・ラリーで初めてのステージ優勝。総合順位ではトビー・プライス(KTM)が1位をキープ、2位のソヴィツコに23分以上の差をつける。

本日のSSが始まるなりMINIチームに災難。総合8位にいたエリック・ファンローン(MINI)がSSスタートからkm5地点で横転。ほぼ同時にナセル・アルアティヤもkm5,85で横転して逆さにひっくり返った。ファンローンは車両調整後再スタートしたが、アルアティヤは車を起こしてくれるチームメイトを待って大きくタイム・ロスした。

ライバルがトラブっている間、ステファン・ペテランセルはチームメイトのカルロス・サインツといっしょにひた走る。第1ウェイ・ポイント(km30)でパンクしながらもサインツはアドバンテージを取っていたかに見えた。しかしすぐに、今日が”ムッシュー・ダカール“の日になることを思い知らされる。ボルテージ満杯、狂ったように走るペテランセルはサインツにCP2 (Km111) で 5’52”、 CP3 (Km174)では20分もの差をつけて通過した。

そして、サインツに苦難が降りかかる。CP2の先、Km213でリオ(枯れ河)の中の大きな岩にぶつかり、エンジンとギア・ボックスの連結部が故障してしまう。アシスタンス・カミヨンを待って牽引されて、トップから6時間遅れの61位でゴールすることになる。
一方ペテランセルはライバルに邪魔されることもなくゴールに飛び込み、通算12回目のステージ優勝を果たす。チームメイトのシリル・デプレもゴール、“先輩にたった5’40”の差“ととても嬉しそうだ。

通常トップ集団のタイム差は僅差だというのに、今日のSS3位以降タイム差が大きい:SS3位ウラジミール・ワシリエフ(TOYOTA)はトップとの差12’56”、4位ナニ・ローマ(MINI)は14’33、セバスチャン・ロエブ(プジョー)は17’40”。
ロエブは、競技中パンク2回、横転1回、スタック1回、道に迷ったのは1回・・・だったというのに、なんというパフォーマンス!少なくともトップ10に入っている。

総合順位では、ペテランセルが首位のロイヤル・シートに落ち着いた。ライバルのナセル・アルアティヤ(MINI)とジニエリ・ド・ヴィリエ(TOYOTA)に1時間以上もの差があるのだから、何か起こらない限りほぼ安泰。4位はミッコ・ヒルボネン(MINI)、1時間23分の差。シリル・デプレ(プジョー)が1時間50分の差で5位に浮上してきたが、表彰台に上るにはあと37’36、タイムを縮める必要がある。

モト部門:スロヴァキア人ステファン・ソヴィツコ(KTM)が初めてのステージ優勝。トップ集団で無傷だった。総合トップのトビー・プライス(KTM)はSS3位でゴール、わずか 5’47”の差だった。プライスはソヴィツコに23’12”の差で総合首位を守る。

今年で7度目の参戦、ソヴィツコはこの2016ダカール・ラリーで最も難しいステージを制したことになる。4時間あまりの競技の果てに、ケヴィン・ベナビデス (Honda) 2’54”、トビー・プライス(KTM)に5’47”の差でSS1位の座についた。

ベナビデスは良い仕事をして、アントワーヌ・メオ(KTM)に4’49”も差をつけた。一方、昨日大きなトラブルでエンジンを交換したパウロ・ゴンサルヴェスは、集中して総合3位の座を守るべくゴールまで執念の走りを見せた。3位でゴールしたがエンジン交換に対するペナルティ約40分が科されて、総合8位に後退してしまった。

総合順位では、1位トビー・プライスKTM)、2位ステファン・ソヴィツコ(KTM)23’12”、3位パブロ・キンタニーリャ(Husqvarna) 42’49”、4位アントワーヌ・メオ(KTM)44’04”、5位ケヴィン・ベナビデス(Honda) 45’01”の順。

三橋淳はSS58位、総合56位と順を上げた。

クワッド部門 : 今日は南アのブライアン・バラガナット(Yamaha)がパトロネッリ兄弟を抑えて、ステージ優勝を果たした。しかし総合順位ではマルコス・パトロネッリ(Yamaha)が1位をキープ、兄アレヒャンドロがわずか1分32秒’で後を追う。ゴンサレス・フェリオリとは1時間半以上の差。

カミヨン部門:ジェラルド・デ・ローイが再びステージ優勝。総合順位でもジェラルド・デ・ローイがトップ、2位はロシアのエドワルド・ニコラエフ(Kamaz) 27’12”、アルゼンチン人フェデリコ・ヴィジャグラ(IVECO)41’24’の差。

菅原照仁はSS12位、総合で14位、父義正もSS26位、総合30位と上昇した。

ビデオ映像:http://www.dakar.com/dakar/2016/us/stage-1100/videos-galery.html

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