第10ステージ : イキケ - アントファガスタ
リエゾン:58 km SS:631 km
 

今日のコース

今日の海岸に沿って南下するコースでは前半200kmは砂丘、後半はフェシュフェッシュと大きく特徴づけられる。ビバークを出て58kmのリエゾン、その後パート1とパート2に分かれるSS、その間に185kmのニュートラルゾーン(競技を行わない区間)がある。昨日に続いて、今日も難しい。この難関をクリアすれば、鉱山地帯のピストを走行し、ラ・ポルターダ岩山の麓、アントファガスタのビバークが待っている。
 

バレダ 挽回、ペテランセル 驚かす…

 
今日の砂丘とフェシュフェッシュのステージを制したのは、スペイン人ホアン・バレダ (Honda),今大会4度目のステージ優勝。SS2位はエルダー・ロドリゲス(Honda)、3位はシリル・デプレ(Yamaha)。総合トップのマルク・コマは11’26”の差でSS5位のゴール、しかし、それでも総合2位のホアン・バレダ と44’24”の差がある。
 
オート部門では、ナセル・アルアティヤが今大会2度目のステージ優勝。しかし、なんといっても今日の勝者はステファン・ペテランセル、総合トップのナニ・ローマに10分近いタイムを縮めて、総合タイムの差が2’15”になった。

 
昨日、オーバー・スピードで15分のペナルティを科されたバレダ だが、相変わらず優勝へのチャンスを窺い、アタックを続ける。今日のイキケからアントファガスタまでの688kmの長いステージ、バレダ はSSパート1を10番目にスタートした。彼は理想的なこのスタートを生かし、先を走るトップ集団の轍を追う。そして、後半のピストで6台追い抜き、チームメイトのエルダー・ロドリゲスに7’42”の差をつけてゴール、SS3位のデプレに9’26” の差だった。
 
一方、デプレは2番目のスタート、先を走るマルク・コマにすぐに追いつき「かつての」ライバル同士、終始二人で走った。リスクを負わないよう、しかし適度なスピードを保ちつつ、コマはバレダ に11’26”の差、SS5位でゴールした。
 
総合タイムでは2位のバレダ と44’24”の差、3位のウォーター・キーパー、ジョルディ・ビジャドムス(KTM)とは2時間以上の差でポディウムの心配は無いに等しい。ビジャドムスも、エンジンを交換して昨夜15分のペナルティを受けた。
シリル・デプレは総合で順位を上げ6位になった。
 
総合4位にいたチリ人、ハレミアス・イスラエル・エスケレが岩にぶつかって転倒し、リタイアになった。
 
総合3位をめぐって、ビジャドムス(KTM)、オリヴィエ・パン(Sherco)、ロドリゲス(Honda)、デプレ(Yamaha), ヤクブ・プシゴンスキ (KTM)らのバトルが楽しみだ。
 
クワッド部門ではセルジオ・ラ・フエンタ(Yamaha)とイグナシオ・カザレ(Yamaha)との間で、昨日に続き終日サイド・バイ・サイドの熾烈なバトルが続いた。しかし、二人がナビゲーション・ミスしている間に、トップに躍り出てアントファガスタのステージを制したのは、ロシア人セルゲイ・カリヤキン(Yamaha)、初優勝。
 
総合では依然としてカザレ(Yamaha)がトップをキープ、総合2位のラ・フエンタ(Yamaha)に24’36”の差をつけている。総合3位のラファウ・サノク(Yamaha)は4位と3時間40分も差が開き、ほぼポディウムは確定のようだ。
 
オート部門、今日の最大のニュースはカルロス・サインツのリタイア。昨日サスペンションの故障で遅れ、今朝15番目のスタート、CP1では3番目のタイムで通過していたが、SSのパート1とパート2の間のリエゾンでコースから飛び出した。車は大きなダメージを負ったが、幸いサインツにはけがが軽く、メディカル・カーで救助された。
 
一方、昨日11分タイムを縮められた総合トップのナニ・ローマ、今日はさらに砂丘でスタックと後半のパンクで、9’55”縮められた。チームメイトでありライバルでもあるステファン・ペテランセルに2日間追い上げられ、大きなプレッシャーがかかる。一方、追うステファン・ペテランセルは、弾丸のような走りでコースをオープンした。後発のナセル・アルアティヤはその利を生かし、ペテランセルの轍を追った。結果ゴールで、ペテランセルと 3’50”の差でステージを制した。通算19回目のステージ優勝。SS3位はナニ・ローマ、13’45”の差。何よりもアルアティヤは、ライバル、ド・ヴィリエに28’15”、砂丘でスタックして30分あまりを失ったオーランド・テラノヴァに33’48”ものタイム差をつけたラッキーな一日になった。
 
総合では波乱の一日、総合トップはナニ・ローマがキープするも、ペテランセルとの差はわずか 2’15”、3位に浮上したアルアティヤは、トップとの差46’01”。総合4位のド・ヴィリエとは28’15”、テラノヴァとは28’35”の差で、バルパライソの最終ゴールまで、この3人のバトルは目が離せない。
 
カミヨン部門でも新しい動きがあった。チェコ人、アレス・ロプライスが今大会初のステージ優勝。アンドレイ・カルギノフ(Kamaz)がジェラルド・デ・ローイ(Iveco)を押さえてSS2位でゴールした。トップとの差はそれぞれ、37”、6’01”。結果、総合でデ・ローイがトップをキープするが、総合2位のカルギノフ(Kamaz)との差はわずか7’55”とった。この先が楽しみだ。
 
 

US – Stage 10 – Car/Bike – Stage Summary… 投稿者 Dakar

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