ロドルフォとセバスチャンの幻滅

「コースを間違えた」、Polaris XP900の前で、ロドフロ・ボレロ(Rodolfo Bollero)はいたたまれず、言葉少なにウェイ・ポイント36のできごとを語り始めた。
コ・ドライバーのセバスチャン・ショルス(Sebastian Sholz)と共に好調にレースを続けてきていた。ウェイ・ポイントを外したので、探しに戻ろうと思った。ところがカミヨンが次々と対面からやってくる。そして金曜日13日、ギア・ボックスが壊れる。
「ウェイ・ポイントを通過するのを諦めて、ビバークに行くことにした。」
そして、ここビバークでボレロはさえない表情。
「今大会一度もペナルティを受けていなかった。一度もこんな目にあったことがなかったのに・・・。」とコ・ドライバーはクレームを提出したが、オフィシャルから受けた発表は9つのウェイ・ポイントを外し、失格・・・。ボレロは目に涙をいっぱいためて、コ・ドライバーの言葉に耳を傾ける。

シリル・デプレとカリファーノがナスカでスカイプ

「やぁ、元気かぁ?」とシリル・デプレ。
「ちょっとさぁ、あんたの仕事楽じゃないねぇ」とクリスチャン・カリファーノ。
前者はダカール・ラリーの3度のチャンピョン、後者はフランス・ナショナルチームの元ラグビーマンで、2009,2010大会で完走したモトのライダー。今、ナスカのビバークで20時。ピスコの決定的ステージとなる前夜、デプレがスカイプしている。
「あんたらのやっているのは病気だね。」とカリファーノ。
「見てくれてる?なんとか、舞い上がってるだろ?
お前がうらやましいよ。ソファーにひっくり返って、12個のリモコンをいじりまわしていてさぁ」」とコーマのライバルが答える。
熱烈なオートバイ・ファンのカリファーノは、ダカール・ラリーでデプレに手取り足とりアドバイスを受け、数年前から仲よしになった。
「ビバークにお前がいないと淋しいぜ。ソックスをぶら下げたお前のテントが無いとなぁ」とデプレ。
「あんたら二人、とんでもないすごいレースのページを書いているところなんだろ」とカリファーノ。ハッピーエンドがもうすぐだ。

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