リマまであと7日
エントリーした競技者の内、モト178台→125台、クワッド30台→21台、オート161台→123台、カミヨン74台→71台が競技を続けている。コピアポでの休息日の今日、ビバークに、デューンの中で一夜を過ごした競技者らが今朝、次々と着いた。まだレースは真ん中、4つの部門の優勝者を語るには時期尚早だが、優勝候補者のリストはかなり煮詰まってきた。

モト :シリル・デプレとマルク・コーマが群を抜く
幸いにして二人とも残っている。二人のチャンピョンの激しいバトルは少し飽きたというより、むしろ崇拝するほど。もうこの二人の熾烈な戦いを繰り広げて何年になるだろう。ともかく毎回目が離せないのは確かだ。昨年まで6回大会で、世界一速い、世界一完璧なライディングの腕を持つ二人はそれぞれ3回づつの総合優勝。4563kmのコースのうち1632kmのSSが終わって二人の差はわずか7’48”、リマでの勝敗はまだまだ予測できない。

そしてこの二人のバトルの傍らで繰り広げられる、ポディウムのイス争い。レース前半では上下争いが激しかった。エリートライダーのうち、ヤクブ・プリスゴンスキー(KTM)が早々第3ステージでエンジンが壊れてリタイア、またクィン・コディ(Honda)が転倒事故でケガをし、戦線を離脱した。KTMの二人のライダー以外で、今回SS優勝したチャレコことフランシスコ・ロペスは、チリの最初のSSで右膝の靱帯を切るアキシデントに見舞われた。コピアポでリタイアするとみられる。休息日前のSSで大きなトラブルに見舞われたフランス・ヴェルホーヴェン(トップのデプレから3h16差で26位)、アラン・デュクロ(16h30差で105位)らは順位が大きく後退した。様々なプチ・トラブルにみまわれながらも、エルダー・ロドリゲス(Yamaha)がトップ2人にくらいつき、総合3位になった。しかし49’39”.のタイム差がある。

初参加のライダーでは、ブラジル人、フェリペ・ザノル(Felipe Zanol)が総合16位で現在1位。続くのがジョニー・アルベール(Johnny Aubert)、総合(24位。
ノン・アシスタンスのライダーのトップはユゴー・ペイヤン(Hugo Payen)、82位。彼は昨年もこのクラスで優勝した。

さらに、2012大会でエントリーした2人のレディスで、現在残っているのはレイア・サンス(Laia Sanz)、51位。彼女は昨年初エントリーで総合45位だった。

オート部門 : Hummerに追われるMINI軍団
レースの半分が終了した現在、42分’54が6台の競技者を分ける。トップはステファン・ペテランセル、2位は第5ステージで初めてSS優勝を果たした、クリストフ・ホロヴィッツ、トップと11’22”の差。

ホアン・ナニ・ローマもトップと18’05” 差で4位、つまり、総合順位で1、2、4位をMINIが押さえている。しかも4台のMiniがステージ優勝し、X-Raidチームの実力を見せつけているようだ。
しかし、何よりも前半戦で印象付けられたのはHummerのパフォーマンス。ロビー・ゴードンはトップと13’09”差で、総合3位。タイトル保持者ナセル・アルアティヤは2度ステージ優勝し、その腕前を確認するような速さだった。一方、コンスタントに上位に着いているジニエリ・ド・ヴィリエ、まだ開発途中のToyota Hiluxで総合5位、トップとの差34’07”、要注意だ。

プロダクション部門では、常連のデュエリスト、三橋淳とザヴィエル・フォッジ(Xavier Foj)の争い。現在部門トップは三橋、しかし23’01”とタイム差は決して安泰な数字ではない。
2駆部門では、パスカル・トマス(Pascal Thomasse)がトップ、2位のベルナール・エランドネア(Bernard Errandonea)に1h26’15 もの差をつけ、レース後半は余裕。

クワッド :トーマス・マフェイとパトロネッリ兄弟
30台のエントラントのうち、過去の優勝者3人が現在レースを続行している。多くのアウトサイダー、ニューフェースが参加するクワッド部門では、今年レギュレーションが改正された。エンジンパワーが700cc.以下。レースが始まる前に、クワッド部門を大きく揺さぶったのは、車検で7台がパスできず、競技は参加できるが、リザルトには入れないという衝撃的なニュース。

レース1週目は、ウルグアイ人セルジオ・ラ・フエンタが最初の2度のステージ優勝、しかしその後は、アルゼンチン勢がSSを押さえた。総合順位ではアレヒャンドロ・パトロネッリが2位のトーマス・マフェイに1時間近い差を付けている。しかし、弟マルコスにも1h20’もの差。ルーキー・トップは、アルゼンチンのルカス・ボネット。

カミヨン部門 :ジェラルド・デ・ローイがトップ、しかし息はつけない
カミヨン部門では、入念に準備されたビンテージ・カミヨンで、Ivecoチームがカミヨンのパフォーマンスを披露するような走りを見せる。ジェラルド・デ・ローイがサンファン、チレシト、フィアンバラ、コピアポと4度のステージ優勝、しかし、チレシト以降、ライバル・カミヨンとの差はあまり大きく変わらない。

レースの半分が終了した現在、総合順位でトップのジェラルド・デ・ローイと2位のアレス・ロプライス(Tatra)はわずか17’10”の差。2007年の優勝者、ハンス・スティシー(Iveco)は総合3位に着ける。宿敵Kamazはチームでトップのアルダヴィシュスを筆頭に、カルギノフ、マルデーヴの3台が45分から1時間13分差、2週目でどこまで追い上げるのか乞うご期待。

排気量10リットル未満クラスでは、同クラス優勝の常連、菅原照仁がトップ。クラス2位のヨハン・エルフリンク(Johan Elfrink:メルセデス)とは2時間47分30秒もの差がある。

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