Category : ニュース

全車:リエゾン(移動区間) 481km+SS(競技区間)336km=合計817km

 

モト部門

007 –エルダー・ロドリゲス   (SS15位、総合7位)
だいぶ良くなった

私には良い日だった。スピードを出せたし、ナビゲーションも良かった。この数日ひどい風邪で苦しんだが、それもだいぶ良くなった。まだ完治したわけではないが、本調子になってきた。たぶん優勝はないとしても、トップ3には入っているだろう。それは私にとって好都合だ。来週は精一杯アタックして良いラリーにしたい。

 

049 –アントワーヌ・メオ   (SS1位、総合5位)
トップ10に入るのが目標だったが、今はそれ以上の成績

SSの最初の部分はとても難しかった。太陽が真正面にあって、路面の凹凸が見えないんだ。路面は濡れて全く埃がなかった。二人のライダーに追いつけたのは運が良かった。完璧なコースができた!思いっきりアクセルを踏んで、ナビゲーション・ミスも無かったし、SS1終盤のナビゲーションも良かった。後半のSSがキャンセルになってありがたかった。
昨日は具合が悪くてアタックできなかったが、今日はずっと良かった。少しづつダカール・ラリーに慣れてきた。トップ10に入るのが目標だったが、今はそれ以上の成績だ。固くポジションを守りながら、疲れないように走るつもりだ。このペースで走ろうと思う。体はすこぶる調子が良い。来週はもっと難しくなって激しいバトルになるだろう。僕は冷静に走る。

 

004 –パブロ・キンタニーリャ   (SS6位、総合4位)
2週目に向けてゆっくり休む

ハードなコースだった。SSに入るなりマチアス(・ウォークナー)が転んだところに出くわした。そこでメディカル・ヘリが来るまで待った。友達に起こったことを考えると、その後は思うようなリズムに乗れなかった。
SSの路面はスピードのコーナーや、山の中などバラエティーに富んでいた。大事なのは何のトラブルもなくゴールでき、総合でトップ10にいられたことだ。それが今日の自分の結果で、今の順位で満足だ。これから、2週目に向けてゆっくり休むんだ。来週はナビゲーションがいっぱいあってかなり難しそうだから。それはつまり、順位が多いに変わるってことだ。大きな後退もあれば上昇もある。だから冷静を保って、ロード・ブックに集中し、それに忠実に走ろうと思う。

 

003 –トビー・プライス  (SS5位、総合2位)
良い1週間目が終わった

昨日から2日間続けてトップを引いて走った。昨日は優勝できたが、マチアスの転倒で止まったライダーがこの後タイム修正されるので、今日はどうかな。他の競技者の面倒をみるという習慣は素晴らしいことだ。
どんな結果でも、僕は満足だ。SSのゴールでオーストラリアの国旗を見かけて嬉しかった、こんな離れた所を走っているというのに応援者がいるなんてね。絶対に信じ込んではいけないんだ、それがミスをしないベストな方法だ。今までのところ、自分の仕事に満足だ。しかし、まだ順位が確定したわけではなく、メカ・トラブルやナビゲーション・ミスがあっという間にタイムを覆す。僕の目標は完走することと、表彰台に上ること。大きなミスも無く、良い1週間目が終わった。良いポジションで1週間目を追えるというのも目標だったんだ。

 

002 –パウロ・ゴンサルヴェス   (SS3位、総合1位)
2週目も同じような走りができたらとてもうれしい

SSの最初で、マチアスが倒れたのを見つけてストップした。そして、キンタニージャが来るまでそこにいた。SS1はちょっと難しかしいナビゲーションで、一昨日のコースのようなリオ(枯れ河の底)がたくさんあるコースだった。ニュートラルゾーンでは怖いくらいの強い雨だった、ほとんど雪でね。それは、しばらくしておさまった。
むしろ、今日の結果、今週の自分の結果に満足だ。2週目も同じような走りができたらとてもうれしいが、来週のステージはこんなものではないだろうから、どうなるかな。

 

オート部門

303 –カルロス・サインツ   (SS1位、総合3位)
いつも通り、今日のように続ける

嬉しい。最初の日の冷たいシャワーの次に、今日の結果は嬉しい。最初の日は何度かストップして14位だった。遅れを取り戻そうと、優勝にターゲットを絞って頑張ってきた。今日はそれが実った。本来もっとステージ優勝があってよいはずなんだ。これから?いつも通り、今日のように続けることだ。

 

300 –ナセル・アルアティヤ   (SS3位、総合4位)
他のクルマをだいぶ引き離している

今日はプジョー軍団とのタイム差が少し小さいので、満足だ。やることはアタックすることだけだ。プジョーを負かすのは非常に難しいと思うが、彼らもトラブルがあるようだ。この先、非常に難しいステージもある。たとえ彼らの後ろだったとしても、今週1週間、精一杯走った。今のところ、他のクルマをだいぶ引き離している。今のポジションをキープして、表彰台の上で終わるよう頑張る。

 

314 –セバスチャン・ロエブ  (SS2位、総合1位)
大事なことは総合で上にいること

SS1は素晴らしかった。精一杯アタックして、大きくタイムを広げた。その後、SS2に入ったところで、エンジンがストップした。クルマはスピードは上がらないが、走った。集中が切れて、ナビゲーション・ミスした。SS2の後半でエンジンの調子が戻ったので、その後はゴールまで精一杯走った。たぶんターボの問題だと思うが、でも再度調子が戻った。

今朝、再度ステージ優勝をとろうとすごくモチベーションが上がっていた。我々の思惑どおりにはいかなかったが、総合で上になった。それが重要だ。SSゴールまで、休息日の前に、自分が優勝できるとは思わなかった。それを十分生かして、来週も良い仕事をしたい。次の3つのステージは難しいのでタイムを失いそうだが、精一杯のことをやるつもりだ。唯一の戦略は精一杯アタックして、精一杯良いタイムを出すことだ。

 

302 –ステファン・ペテランセル  (SS4位、総合2位)
我々は良いポジション

今日のコースでは、つまらないミスを犯したくなかったので、安全第1の走りをした。良いポジションで休息日に入りたかった。スピードに乗って走っていた時、カルロス(・サインツ)に追いつかれた。それはちょっとしたナビゲーション・ミスだった。100mほど余計に走ってしまった。コースに戻ろうとした時に、彼がサンチネルで合図してきて、追い越していった。そこで譲るべきではなかったかもしれない。最後たった10kmの差だったのだから。今日は良いポジションになることは間違いない。他のクルマに勝っているのだろうが、差は小さい。我々は今再び優勝争いに入ってこれた、今のところは。だから、良い1週間目だった。2週間目はだいたい経験あるパイロットに有利なんだ。でも、何が起こるかわからないがね。

 

カミヨン部門

501 –ジェラルド・デ・ローイ   (SS4位、総合2位)
カマズがトップ争いに再び加わるのは間違いない

ナビゲーションで右に行かなければいけない所を左に行くミスをしてしまった。Uターンして40~50秒タイム・ロスした。今日のSSは難しかった。ずいぶん長い時間ブレーキを踏まなければならなかった。しかし良い仕事ができた。それは、1週間目のWRCタイプのコースを対等に戦えたということで、非常にポジティブだ。今週のようなコースは自分の得意とするコースではない。2週目は砂丘ステージがいっぱいあるよう願っている。カマズのカミヨンは信頼できる。カマズがリタイアするなど期待している人は誰もいないだろう。しかし、トップ争いに再び加わるのは間違いない。

 

全車:リエゾン(移動区間) 481km+SS(競技区間)336km=合計817km

今日1日走れば休息日。しかし、今日もまた817kmもクリアしなければならない。リオ(枯河)が何本も走る道なき道の中、SSは2部に構成される。SSパート1はボリビアの230km、後半SSパート2はアルゼンチン側106km、そしてその間116kmはニュートラル・ゾーン、移動だけで競技にはカウントされない部分で、国境がこの中にある。この長距離の一日、今日もビバーク到着は夜遅くなりそうだ。

そして睡眠不足の競技者らだが、今朝も早い。5時半にビバークをモトのライダーらは出発し、SSスタート地へ移動した。SSを最初にスタートするのはモトのトビー・プライス、7:00 107台。クワッド36台。オート部門は9:47、ペテランセルが第1走者。

正午になって、激しい雷と共に雪まじりの雨も強くなって、SS350km辺りのリオ(枯河)で鉄砲水があふれた為、モト&クワッドのSSパート2が中止になった。SSパート1を終了し、ニュートラルゾーン(SSパート1とSSパート2の間の移動区間)に入った選手は、その後コンボイで他の道路を使って次のビバークに移動することになった。オート&カミヨンはそのまま続行された。

昨日17時頃、No.311 テン・ブリンケの車が途中火を噴き、あっという間に燃え尽きてしまった。コ・パイロットのトム・コンソルと共に無事、プレスカーに乗ってビバークに合流した。昨日スタートする時には総合8位と、無念のリタイアだ。

サインツ今大会の初ステージ優勝、メオ呑み込みが早い

順番は巡る、まさに今日がそれ。カルロス・サインツが本日、第38回ダカール・ラリー第9ステージで優勝を果たした。DKR2008で、カルロス・サインツはプジョーチームの6連続優勝に貢献した。プロローグ以外は全ステージでプジョー車が優勝している。総合ではステファン・ペテランセルに代わってセバスチャン・ロエブがトップについた。モト部門ではアントワーヌ・メオが初めてのステージ優勝。

オート部門 :一見、今38回大会はプジョーの優勝に沸いている感がある。しかし、その見かけ以上に今日のレースは同チームにとって豪奢な1日だったようだ。まずはセバスチャン・ロエブがCP1をトップ通過、しかし次のSSのパート2に入るなり車がストップしてしまった。その間に、今度はカルロス・サインツがすかさず飛び出す。ロエブとはかつてのWRCのチームメイト、同じWRCチャンピョンシップ優勝者同士だ。サインツはガンガン攻め続け、ナビゲーションのミスも無くゴールに突っ込んだ。そして、38秒差で後続のステファン・ペテランセルを制し、ステージ優勝を果たした。

ただ、プジョー軍団には今日もまた新しい小さな気がかりができた。昨日のアクセルのトラブルに続き、ロエブが新たなトラブルに見舞われたのだ。ロエブによれは、今回はターボの故障だという。第2ステージのサインツ、第5ステージのデプレなど繰り返し続くトラブルは、プジョーチーム監督ブリュノー・ファマンの悩みの種になりつつある。

当然、明日の休息日に細部に至るまでDRK2008の検査と調整が行われる。今日から月曜日までの休息日の間、セバスチャン・ロエブはレース半ばの首座のポジションを心行くまで堪能できることになる。かつて無いすばらしいパフォーマンスだ。月曜日から次のレースが始まり、後半の週はナビゲーションと大部分オフロードという本格的なラリー・レイドのコースになるそうだ。

総合順位はセバスチャン・ロエブが1位、2位はステファン・ペテランセル2’22”の差、3位カルロス・サインツ、トップとの差4’50”、4位はナセル・アルアティヤ(MINI)17’36”の差。

モト部門:エンデューロ世界チャンピョン4度の優勝者アントワーヌ・メオ(KTM)が、初めてのダカール・ラリー参加で初めてのステージ優勝を果たした。メオは、新しい世界で彼の適応の柔軟性を証明し、見事に勝利を手にした。

一方、トビー・プライスのチームメイト、オーストリア人マチアス・ウォークナー (KTM)は、朝7時頃、SSスタートから15km程のところで転倒した。スタートした時には総合3位、3番目のスタートだっただけに悔やまれる。そして、Hondaのパウロ・ゴンサルヴェスが彼の為にストップ、緊急のバリーズ(本部に知らせる警報)を引き、レスキューとの連絡の為10分以上留まった。マチアスは鎖骨を骨折したようだ。メディカル・ヘリでウユニの病院に輸送され、リタイアとなった。

ケガ人補助によるタイム修正が行われ、パウロ・ゴンサルヴェス (Honda)は1’56”で今日のSSの3位になった。SS 2位はケヴィン・ベナビデス(Honda) 1’53”。

そして総合順位はトップがパウロ・ゴンサルヴェス (Honda)、2位トビー・プライス(KTM) トップと3’12”の差、3位ステファン・ソヴィツコ(KTM)9’24”の差。一時、ゴンサルヴェスの順位が1時間40分遅れとの発表が飛び交ったが、修正後の結果で関係者は安堵の胸をなでおろした。

日本の三橋淳はSS65位、トップとわずか42分9秒’でのゴール。総合65位。

昨夜ビバークに着いたものの、今朝スタートできなかったライダーは4名。その中にHondaのホアン・バレダとハビエル・ピゾリトがある。

クワッド部門:モト部門同様、豪雨の為コースがSSパート1だけに縮小された。ステージ優勝したのはアルゼンチン人ルカス・ボネット。総合順位は昨日と同じ、1,2位がアレヒャンドロ・パトロネッリ兄、と弟マルコス3’36”、3位はセルゲイ・カリヤキン7’51”差。 

カミヨン部門 :2013年大会の総合優勝者エドワルド・ニコラエフ(Kamaz)が終日すさまじいスピードで全部のCP1をトップ・タイムで通過、今大会2度目のステージ優勝を果たした。通算9度目のステージ優勝。チームメイトのアイラット・マルデーブがSS2位、オランダ人フェデリコ・ヴィジャグラ(IVECO)がSS3位。

総合順位では、ピーテル・フェルスルイス(MAN)が1位に上昇、2位ジェラルド・デ・ローイ(MAN)5’31”差、 3位アイラット・マルデーブ(Kamaz) 10’48”差。

日野チームスガワラはジュニア照仁がSS18位でゴール、総合でも18位。父義正はチェックポイント7(ゴール手前約60km)を現地時間17時15分に通過、その後CP8の間でストップしている模様(現地時間1月9日23時現在)。

オート    :リエゾン(移動区間) 180km+SS(競技区間)542km=合計722km
カミヨン   :リエゾン(移動区間) 304km+SS(競技区間)295km=合計599km
モト&クワッド:リエゾン(移動区間) 180km+SS(競技区間)542km=合計722km

 

モト部門

002 –パウロ・ゴンサルヴェス   (SS3位、総合1位)
この先もっと大変なことが待っている

長い一日だった。頭が痛い。このひどい頭痛の中、集中し続けるのは大変だった。できるだけのことはした。でもま、全てうまくいった。バイクは絶好調。ゴールできてうれしい。今は早くビバークに着いて休んでこの痛いのから解放されたい。いずれにしても今日のステージは良い走りができた。
僅かなタイム差だが、明日はトップより少し後ろ(3番目)にスタートできる。まだ、我々はレースが始まったばかりだということを忘れてはいけない。この先もっと大変なことが待っているんだ。だから、今日がとても重要な日ってわけではない。

大事なのはタイムを失うことなく、トラブル無く、毎日確実にコースを続けることだ。バレダに何があったかよくわからないが、なぜ彼が最終の優勝から外れたっていうんだろう?ルーベンも外れた、でもまだ6人以上はタイトルを狙って戦う選手がいる。それは楽しみだ。

 

003 –トビー・プライス  (SS1位、総合2位)
最終ゴールはまだまだ先

まぁひどい1日ではなかったよ、満足している。全部のコースをオープンしながら走った、それは初めての体験だった。順調ってわけではない、km22でコースのど真ん中に4輪が砂の中にスタックしていた。それを避けようと迂回したら前から誰かが飛び出してきてぶつかりそうになった。たいしたことが無くて済んだ。でも集団が追い付いてきて、僕は砂埃の中を走らなければならなかった。最終的にはなんとかうまく走れたので、何も悔やむことはない。

ナビゲーションでいくつか罠があったが、裏をかく術を知っていた。ミスしないようロード・ブックを入念にチェックしておいたんだ。うれしい。明日も同じ調子で同じように走ろうと思う。最後までバトルは厳しいし、最終ゴールはまだまだ先だ。今のところ全てうまくいっている。余裕を持ってアタックしている。この最初の週のリズムは、昨年より向上した。できる限りこんな風に続けたい。ミスをしなければ、それなりの結果がついてくるだろう。

 

014 –マチアス・ウォークナー  (SS2位、総合3位)
それってけっこうクールだった

初番でメオとソヴィツコがコースミスし、僕の方に引き返してきた。そして、かなり長い間彼らの後ろでほこりを吸いながら走る羽目になった。その後また彼らがナビゲーション・ミスして、僕は一人だけになった。それってけっこうクールだったよ。ゴール手前80kmは長いSSで標高が高かったからかなりハードだった。SS2位だろうが5位だろうが大した違いじゃない、ゴールできただけでうれしい。それにしても今日のステージはきれいだった!

 

クワッド部門

253 – アレヒャンドロ・パトロネッリ (SS2位、総合1位)
競技者を振り分けるステージだった

今日はSSのスタートまでのリエゾンがなかった。いきなりスタートなんだ。それは、カラダに負担を掛けなくて良いことだ。全てうまくいった。SSの途中、マルコス(弟)と集団になった。ゆっくり待ちながら走っている時、少し緊張が解け、カーブで少し大回りしすぎた。転倒して計器とバックミラーを壊してしまった。でも起き上がって、何の不安もなくコースを続けた。それからマルコスと一緒になって、彼について走りきった。

今日は何よりもゴールしたかったので、スピードとトラブルをコントロールしながらかなりゆっくり目のスピードで走った。今日のコースはレースで最長なので、競技者を振り分けるものだったと思う。石が多かった。540kmの間、常にコントロールしながら全力で走った。絶対にミスしたくなかった。ダカール・ラリーでは優勝したからって舞い上がってはいけないんだ。一つ一つのステージをこんな風に全力で戦いたいと思っている。

 

オート部門

300 –ナセル・アルアティヤ   (SS5位、総合4位)
打倒プジョーは無理

今日も打倒プジョーをやってみたが、だめだった。彼らは非常に速くて毎日4~8分タイムを広げていく。我々にできることといえば、今の位置をキープすることだけだ。まだあと数日レースが残っているので、トップ3に入れるよう頑張るつもりだ。でもそれでも簡単ではない。プジョーはすべての点で良いのだから。

 

302 –ステファン・ペテランセル (SS1位、総合1位)
思いっきり走った

スーパーだ!長いSSだった。そしてこんな長い間集中し続けなければないので相変わらず非常に難しかった。道路の外を走ることもなくナビゲーションもないユニークなコースだった。
ナビゲーションのトラブルもなく、パンクもなく全てうまくいった。クルマはどこの問題もなく新品状態。しかし、昨日デプレに起こったことは、我々3人にも起こりうることだ。

 

314 –セバスチャン・ロエブ (SS4位、総合2位)
また最初からやり直しだ

Km100でパンクした。その後アクセルが底についたままブロックしてしまった。ヒューズを切って走らなければならなかった。そして、石がヒットしてまたタイヤを交換しなければならなかった。本当に大変な一日だった。でもこんなものさ。プジョー3台は総合でトップをおさえている。今日までのところ、それは良いことだ。タイムウォッチがゼロになったから、また最初からやり直しだ。でもフィーリングは好調、クルマも好調、特に問題はない。

 

303 –カルロス・サインツ (SS2位、総合3位)
こうしてゴールできた

全てうまくいった。一時セバスチャン(・ロエブ)の埃をかぶって走ったが、最後追い越した。それはけっこう難しかった。彼よりタイムがいいかどうかわからないが、こうしてゴールでき、まだかなり優勝に近い位置にいるのは確かだ。まだこの先長いので、まだプジョーチームが優勝したとはいえない。

 

カミヨン部門

514 –フェデリコ・ヴィジャグラ(SS9位、総合3位)
集団にいるために全てやる

今日のSSは好きじゃない。個人的には道路を走るコースは好きではなく、もっと本格的なラリータイプの方が好きだ。最初コースを見つけるのに苦労した。その後は100KMものストレート、ちょっとつまらならかった。トップのカミヨンの轍を追ったがそれがコースが合っていなかったようで、我々も順位が下がってしまった。

今日のは良いレースでなかった。でも、どこも壊さなかったし、我々はゴールできた。そして、(総合)タイムはほんのわずかな差で良いところにいる。初めての参加なので、今の目標はこのままのペースを続けること。良い日もあれば、悪い日もある、トップ集団と常にコンタクトを失わないことが、結果を出す最良の方法だ。

オート    :リエゾン(移動区間) 180km+SS(競技区間)542km=合計722km
カミヨン   :リエゾン(移動区間) 304km+SS(競技区間)295km=合計599km
モト&クワッド:リエゾン(移動区間) 180km+SS(競技区間)542km=合計722km

やっとマラソン・ステージが終わったとほっとしたのもつかの間、今日のSSは今大会最長のコース。ウユニ塩湖周辺で、終日標高が高い。路面は昨日までとまた違い、土と砂が交互に入り混じる。
ビバークから4km地点のSSのスタートでウユニ塩湖を周回するコースだが、カミヨン部門だけは反対の山の中を回る、295kmのコース。今日も天気が悪くて、大量の雨が予想されている。

昨夜ゴールしていなかった、唯一残っていた女性ライダー、アニー・シール(スウェーデン)が朝6時になってもまだ到着していない。No.135ニコラ・モニン(KTM)は、本人の強い意志にかかわらず、高地病で呼吸器系の問題があるとのことでスタートを取りやめた。

モト第1走者は6:00にスタート、オート部門は9:00第1走者のセバスチャン・ロエブが出発した。

夜中に順位の修正があり、アントワーヌ・メオ(KTM)が5分のペナルティが科された。

ロエブ苦戦、ペテはミス無し。プライス、トリプル優勝

トップ争いがプジョーチームの内輪バトルの様相を呈し始めた。昨日はセバスチャン・ロエブがステージ優勝、そして今日はステファン・ペテランセルが優勝だ。今日のステファン・ペテランセルは良い仕事をした。ロエブがパンクや電気系故障で戸惑っている間にタイムを稼いで、本日のステージを制し、総合でもトップにのし上がった。ロエブとの差、僅か27秒。

モト部門ではトビー・プライス(KTM)が今大会3度目のステージ優勝。パウロ・ゴンサルヴェス (Honda)がかろうじて総合トップをキープするも、プライスにわずか35秒の差。今日は多くのリタイアに印象付けられる日となった

オート部門 :セバスチャン・ロエブの戦歴をみれば彼がレースを凌駕することは不自然ではないはずだが、ステファン・ペテランセルにとって、”新米“の後ろを走るのは気分のいいものではないことは想像に難くない。今日は”Mr.ダカール“がレースを制し、彼のイメージをしっかり際立たせた。今日のスピードの出せないパンクしやすいコースを、ペテランセルは彼の経験とセンスを生かして、今大会2度目のステージ優勝をきっちり果たした。

カルロス・サインツもSS2位で経験を証明した。しかし、昨日はシリル・デプレの故障、今日はロエブのアクセルのトラブルとプジョーチームにとっては穏やかではない。今のところ大きなダメージにならずに済んだが、これらのトラブルは予想より早く起き、今後繰り返されることもありうる。少なくとも、彼らを追い上げ引き立て役に甘んじているナセル・アルアティヤはその一抹の期待があるのではなからろうか。

総合順位では劇的なタイム差だ。トップのペテランセルとロエブは27秒差、続くサインツは5’55”、さらに4位のアルアティヤはà 15’19”。

モト部門:トビー・プライス(KTM)が一昨日のマラソン・ステージ1日目でステージ優勝を果たし、再び今日優勝した。CP3で2分もの差をつけられながら、ゴールでパウロ・ゴンサルヴェス(Honda) に1’12”の差で勝った。パウロは順番通り1番目にスタートしながら、このライバルに手を打つことができなかった。しかしそれでも35秒差で総合トップをキープしている。

マチアス・ウォークナー (KTM)も目立たぬように効果的な走りで総合3位に上昇した。

ホアン・バレダ (Honda)はメカトラブルで度々のストップ、5時間以上ものタイム・ロスにより大きく後退することとなった。

日本の三橋淳は総合65位。

そして何より今日はたいへん多くのリタイアが出たのが印象的なステージでもあった。優勝候補の一人ルーベン・ファリア (Husqvana)は手首を骨折でリタイア。スタート後30km地点で転倒したイタリア人ライダーNo.138, アレッサンドロ・バルベロ(Husqvana)は頭を強く打ちドクター・ストップがかかった。

フランス人No100エリック・クロックロワ(KTM)はCP3の先で転倒、腕の上部損傷でメディカル・ヘリで移送された。

昨日けがをしたスロヴェニア人No.16イワン・ジェイク(KTM)は、膝の痛みの為、一旦スタートしたものの再びビバークに引き返してリタイアした。

クワッド部門:パトロネッリ兄弟が今年2人そろってダカール・ラリーに戻ってきたが、その二人が見事なツィン・ゴールを果たした。マルコス弟はアレヒャンドロ兄に6’39”の差でSSをゴール、総合でも2位に浮上した。二人は総合で1,2位、しかしこちらは兄がトップを抑える。総合3位はロシア人、セルゲイ・カリヤキン、トップと5 ‘39”の差。

一昨日まで総合トップにいたカザレ、なんとか今朝スタートでき、CP3ではトップ・タイムで通過するなどパワフルに走ったが、km308で転倒、鎖骨を骨折しメディカル・ヘリで救助されリタイアとなった。また、一昨日3位まで浮上していたエンリケ・ウンベルト・オクムラも転倒でリタイアした。

カミヨン部門: 再びオランダ人が1,2,3をとった1日。ハンス・スティシーがジェラルド・デ・ローイ(MAN)に僅か7秒差でステージ優勝、そして、3位はピーテル・フェルスルイス(MAN)、1’15”差。総合では本日9位でゴールしたフェデリコ・ヴィジャグラ(IVECO)の後退のおかげでハンス・スティシーがトップに浮上した。しかし総合2位のフェルスルイス(MAN)とはわずか59秒の差だ。そして、総合3位はヴィジャグラ、4’05の差。

日野チームスガワラはJr.照仁が総合17位、父義正が総合38位と固く順位を維持している。

全車:リエゾン(移動区間)314km+SS(競技区間)372km=合計641km

モト部門

003 –トビー・プライス  (SS1位、総合3位)
こんな良い順位でゴールできるとは思ってもみなかった

ナビゲーションの難しい所がある、難しいマラソン・ステージのコースだった。埃の中で前を行く先頭集団に追いついたが、最終部でいくつかミスした。高速ゾーンではかなりスリッピーで転倒するかと思った。本当にやばかった。ゴール手前30~40kmはナビゲーションのすごくデリケートな所だった。この順位でゴールできるとは思ってもみなかった。できるときにはアタックしたし、場所によっては安全に走った。最終的に良い結果が出て、良い走りの一日になった。このペースで続ければいいんだ。最終ゴールまであと7ステージ、まだ先は長いので、何が起こるかわからない。バイクは好調だし、僕は転倒していない。メカは良い仕事をしてくれている。

 

049 –アントワーヌ・メオ   (SS8位、総合9位)
運が良ければ良いとこいける

良い走りができた。かなりスリッピーで難しかった、タイヤが最後相当すり減っていた。俺が2番目のゴールだって?悪くないね。最終部のナビゲーションがすごく難しかった。おまけにものすごい観衆で轍がよくわからなかった。今やるべきことはトップ集団についていくことだ。今日のは本格的なSSだった。この先どんなステージになるのか.…。運が良ければ良いとこいけるかも。

 

002 –パウロ・ゴンサルヴェス   (SS12位、総合1位)
高地で酷い頭痛だった

マラソン・ステージの非常に難しいコースだった。高地なので酷い頭痛だった。でも、結果、バイクは絶好調で良いタイムが出せたのでうれしい。明日また大変な1日が待っている。どうなるかわからないが、そろそろ休養が欲しくなってきた。最後の100kmは非常にナビゲーションが難しかったが、毎回正しいコースを見つけることができた。この2日間でかなりの距離を走ったので、皆のタイム差のびっくりすることになるかもしれない。ホアン(・バレダ)はツイていなかった。ブレーキを踏むのがちょっと遅すぎたんだ。ペナルティを受けることになってしまった。こんなものさ。
でも今の5,6分のタイム差なんて、2週目にあっというまに覆されてしまうタイムだ。

 

オート部門

321 – シリル・デプレ (SS49位、総合22位)
ゴール手前100kmから50km/h

車は大丈夫。しかし、オイルが漏れ、ガスーオイル、水が無い。ボードの表示が狂っているのか、ゴール手前100km程から50km/hしか出せない。ストップしてはどこが悪いのか見てみたが、見つからない。またストップ。最後ローマン・デュマが牽引してゴールで来た。しかしダカール・ラリーはまだ終わりじゃない、まだ第5ステージだ。何位まで落ちるか心配だったが(総合で)まだ22位だ。

 

303 – カルロス・サインツ (SS2位、総合2位)
優勝まであと少し

うまくいっている。疲れてもいないし…。良い1日だった。あまり暑くなくて助かった。優勝まであと少しだ。初番はリオ(川底)の中でパンクしたくなかったので、スピードを抑えて走ったが、その後はダッシュした。この成果に満足だ。車のコンデションはここまで絶好調だ。問題は最初の日の差14分で、これを取り返すのは大変だ。しかし、まだこの先長いから。

 

300 –ナセル・アルアティヤ (SS4位、総合4位)
プジョー相手に全くチャンスはなかった

信じられなーい!昨日と今日ほどアタックしたことはない。マチューに聞いてみてよ。100%以上で走ったんだから。でもプジョー相手に全くチャンスはなかった。彼らに何か起きない限り、彼らを倒すなんて無理!プジョーと良い仕事をしているそのチームにブラボーを送るよ。2日間のマラソン・ステージでは大した問題はなかった。それはすごいことだ。全力で走ったというのに3分タイム・ロスした。プジョーはラリー最初から毎回勝っている。私が狂ったようにアタックしているというのに彼らに追いつけないんだ。彼らは昨年から仕事をしてきている。われらのMINIは改善されていない。

 

314 –セバスチャン・ロエブ (SS1位、総合1位)
思いっきり走った

最終部カーブの多いコーナーですごく速いカルロスに負けた。しかし結果は、むしろ悪くない。リオ(川底)や、先が見えないコーナー、岩場など、最初の頃のステージと路面がだいぶ違った。ダニエルのロード・ブックの準備を見てきたので、彼の仕事を信頼している。彼はスーパーな仕事をしてくれている。繰り返すが、クルマは全くトラブルが無い。パーフェクトだ。昨日は少しメカニックしたが、今日は完璧なので、より一段と思いっきり走った。たとえ、我々が苦労することになったとしても、今日は面白くなると思っていた。より深い信頼で、より良い結果が出せるからだ。明日520kmをコースをオープンして走らなければならないとしても、ナビゲーションは大丈夫だ。

 

全車:リエゾン(移動区間)314km+SS(競技区間)328km=合計642km

今日のコースは2日間にわたるマラソン・ステージの後半、競技者らはボリビアに入る。ダカール・ラリー史始まって以来の高地4,600mを超える山越え、そして全体に高地の中のコースは競技者だけでなく車も苦しめる。それに加え、昨日に続き長いコースは、総走行距離642km、そのうちSSは328km。さらには難度の高いナビゲーションと競技者にとっての苦難のコースになった。

落雷の為、13 :45 オート&カミヨンのコースが一部ゴール手前でキャンセル、km321までとなった。

メカニックのサポートができない昨夜のビバークでは、競技者が自分のマシーン、もしくはチームメイトのマシーンを修理することができる。傷んだマシーンの修理に夜を越したものもいれば、スタートまでに修理できずにやむなくリタイアした競技者もいる。今朝スタートできなかった競技者はモト部門ではNo.98ダミアン・ウドリー(チリ)、クワッド部門のNo296ニコラ・ロブレド(コロンビア)、オート部門No.328 ロベルト・ナルヴィル(アルゼンチン)、No.354トム・コロネル・・等。

そして、マラソン・ステージの後半の今日のレースでも多くのリタイアがでた。モト部門ではNo.063ホセ・コルネヨ(チリ)、No.38エステバン・アリエル(アルゼンチン)、No.135 ニコラス・モニン(チェコ)、No.119フェデリコ・ギッティ(イタリア)、ホアン・アゼヴェド(ブラジル)。クワッドではNo.292マルセロ・メデリオス(ブラジル)、No.270セバスチャン・スーディ(フランス)、No.250ラファウ・サノク(ポーランド)、No.255モハメッド・アブーイッサ(カタール)。オート部門ではNo.309カルロス・スーザ(ポルトガル)。

6時にビバークを出発し、リエゾンでスタート地まで移動したモトの競技者、第1走者ゴンサルベスが8時にスタートした。オート部門のスタートは10時38分。

ロエブ 3度目のV, プジョー再び1,2,3フィニッシュ

オート部門 : セバスチャン・ロエブはまさにダカール・ラリーの強豪をナーバスにさせることになりそうだ。昨日までのコースはどちらかといえばWRCタイプ、彼のチャンピョン歴からしてこの成績は当然といえるかもしれない。しかし、今日のステージで、彼とダニエル・エレーナはナビゲーションでも十分チカラのあるところを証明した。今朝は、大先輩ステファン・ペテランセルとカルロス・サインツの後に出発。容赦なく攻める2台のデュオの傍らで、ロエブは自分のペースを維持する必要があった。

事実、終日彼は自分のペースを守り通した。先を行くサインツとペテランセルは激しいバトルの果て、サインツが僅か 2’38”差でペテランセルよりゴールを通過した。ロエブが3番目のゴール、しかしタイムでサインツが負けた。わずか2秒差でロエブのステージ優勝となった。

1,2,3のプジョーの後にはナセル・アルアティヤ(MINI)がついた。渾身のアタックだったが、改良されたプジョーDKR2008のあまりの強さに兜を脱ぐほかない。ライオンの異名をとるプジョーチーム、この大会最初のマラソンでクルマの実力を示したが、シリル・デプレだけが例外となった。デプレは電気系統のトラブルの餌食となり、終盤スピードが極端に低下、そしてチームメイトに牽引され、ロエブに1h15も遅れてのゴールとなった。

総合暫定順位で、ロエブはペテランセルに7’48”、サインツに 13’26”もの差をつけた。 ライバル、アルアティヤがロエブを倒すには14分以上も縮めないといけない。

モト部門: 昨年3度のステージ優勝を果たしたトビー・プライスがKTMの意地を見せた。今朝8番目にスタートしたオーストラリア人プライスは、全部のCPをトップ・タイムで通過、みごとにステージ優勝を果たした。チームメイトのアントワーヌ・メオもSS暫定2位、素晴らしい仕事をした。さすが、5度のエンデューロ世界チャンピョンの記録を持つライダー、初参加にしてこの成績とは呑み込みが早い。その後ろにはステファン・ソヴィツコ (KTM)、マチアス・ウォークナー (KTM)と4台KTMが続いた。総合暫定タイムでは、トップはパウロ・ゴンサルヴェス (Honda)。今日のステージではSS12位だったが、これまでの蓄えたタイムがあった。

クワッド部門では、トップグループの大量リタイアが目を引いた。主な理由は転倒とマシーンの故障。タイトル保持者のラファウ・サノク、入賞候補のモハメッド・アブーイッサなど。そして、昨日まで総合トップにいたイグナシオ・カザレも今晩、レースを離れる。総合順位は、アレクシス・エルナンデスが2位のアレヒャンドロ・パトロネッリに48秒差でトップ。総合3位にはロシアのセルゲイ・カリヤッキンが8分35秒差でつけている。

カミヨン部門 :チェコのコロミーとサイドバイサイドの戦いを繰り広げたKAMAZのエドワルド・ニコラエフ(ロシア)は321kmのバトルの果て、ステージを勝ち取った。常に上位に君臨しているカマズ・チームだが、今大会初のステージ優勝。ニコラエフはダカール・ラリー通算8度目のステージ優勝だ。総合順位ではアルゼンチンのフェデリコ・ヴィジャグラがトップだが、続く2台ピーテル・フェルスルイスとハンス・スティシーとのタイム差はそれぞれ、5秒と21秒と厳しい僅差。排気量10リットル未満クラスで6優勝の菅原ジュニア照仁が総合16位と素晴らしい健闘ぶり。

ビデオ映像:http://www.dakar.com/dakar/2016/us/stage-600/videos-galery.html

オート    :リエゾン(移動区間)200km+SS(競技区間)429km=合計629km
カミヨン   :リエゾン(移動区間)200km+SS(競技区間)429km=合計619km
モト&クワッド:リエゾン(移動区間) 200km+SS(競技区間)429km=合計629km

本日のコースは、サンサルバドル・デ・ フフイをスタートするループコースで、平均の標高が3500m、最高標高は4100mという高地で、本日から数日の間高地のステージとなる。そして、今日と明日の2日間、メカニックのサポートが受けられないマラソン・ステージ。その上、今日のコースは総距離630km、SSが430kmという長いコースでほとんどが山道のグラベルとスリッピーな砂地だ。
6時にビバークを出発したモトのライダーたちは、SSのスタート地点までリエゾン移動。
アシスタント・クルーは本日のうちに明日のビバーク、ウユニへ移動する。

華々しいデモを見せたプジョー軍団

今大会最初のマラソン・ステージの最初の1日、プジョー軍団が1,2,3ゴールを果たしチームの底力を披露した。ステファン・ペテランセルがカルロス・サインツを抑え、今大会初のステージ優勝。

モト部門ではバレダ(Honda) がトップでゴールしたものの、スピード違反ペナルティを受け、ゴンサルヴェス (Honda)にステージ優勝を渡すことになった。

オート部門 :何という1日! 最初のチェック・ポイントからプジョー軍団がライバルを抑えてトップ・タイムで通過した。ナセル・アルアティヤ(MINI)とロエブが際どいバトルを続ける中、ステファン・ペテランセルは最初のCPを両車をしのぐタイムで通過。次のCPでもペテランセルはロエブに1分の差をつけて通過。一方のカルロス・サインツは10番目のスタートから6台追い抜いき、後半弾丸のような走りで、チームメイト2台の後にゴールした。結果、SS優勝はステファン・ペテランセル、2位に11秒差でサインツ、3位に27秒差でロエブがついた。

上記1,2,3のプジョー軍団と共にシリル・デプレが続けば、1から4位を独占できたが、そこにナセル・アルアティヤ(MINI)が割って入った。だがそれにしても、今日のパフォーマンスでプジョーDKR2008がオールラウンドに素晴らしいことが証明され、これまでささやかれていた根強い疑問は粉々に打ち砕かれた。そして、残る疑問は信頼性。それは明日のマラソン・ステージ642kmの後で証明されることになろう。

モト部門:昨日のスピード違反ミスで大きな痛手を受けたホアン・バレダは、 CP1をトップ・タイムで通過、その後も次々とチェック・ポイントを目覚ましいスピードで通過した。チームメイトのゴンサルヴェスはぴったりバレダについていればよかった。ホアン・バレダ は残念ながら再びのスピード違反でペナルティ5分、ステージ優勝と総合トップの座を逃してしまう。

SS優勝はパウロ・ゴンサルヴェス (Honda)、2位はケヴィン・ベナビデス (Honda)、3位はルーベン・ファリア(Huskvana)。総合順位のトップはゴンサルヴェス 、2位ベナビデス、3位バレダ。

No57のフィリップ・カヴァリエはエンジンが壊れ、スタートできなかった。ピエールアレキサンドル・ルネがkm400で転倒、頭を強く打ちリタイア、フフィの病院に輸送され応急手当を受けている。初出場であまりにも早いリタイアとなった。

クワッド部門:この部門で2度の総合優勝しているアルゼンチンのマルコス・パトロネッリが今日はスタートからゴールまでアンタッチャブルな走りを見せた。アレクシス・エルナンデスに16秒の差でステージ優勝。チリのイグナシオ・カザレが総合順位のトップをキープ、次席のマルセロ・メデイロスに12分もの差をつけてゴールした。

しかし、夜になって順位の修正が行われ、ステージ優勝はイタリアのジャンカルロス・カリニャーニ、SS2位はセルゲイ・カリヤキン、10秒差、SS3位はエンリケ・ウンベルト・オクムラ+4分2秒となった。

カミヨン部門 :ジェラルド・デ・ローイが本日のカミヨン部門のステージ優勝。イベコのカミヨンで、同国オランダ人ピーテル・フェルスルイスとハンス・スティシーをそれぞれ37秒、1分18秒の差で抑えた。しかし2分のペナルティを科され、総合順位ではフェルスルイスがトップ。次席のスティシーとは僅か15秒の差だ。

ビデオ映像:http://www.dakar.com/dakar/2016/us/stage-500/videos-galery.html

オート&カミヨン:リエゾン(移動区間)200km+SS(競技区間)429km=合計629km
モト&クワッド:リエゾン(移動区間) 200km+SS(競技区間)429km=合計629km

モト部門

002 – パウロ・ゴンサルヴェス (SS1位、総合1位)
良い走りができた一日だった

マラソン・ステージの1日目、ハイ・スピードなコースだった。給油ポイントまでベナヴィデスと一緒だったが、コントロール・ゾーンで小さなミスをして僅かなタイムを失った。その後遅れを取り戻そうとアタックし、最後、皆とあまり離れずにゴールできた。良い走りができた一日だった。バイクを良い状態でゴールすることは大事なことだったので、自分自身にとっても、HONDAにとってもよかった。

 

049 – アントワーヌ・メオ (SS4位、総合9位)
パンクしないようコントロールしなければならなかった

非常に長いステージで、僕にとって初めてのマラソン・ステージだった。パンクしないようコントロールしなければならないので、少し難しかった。だからスピードを150km以下に制限した。それでトップから6分も遅れることになってしまった。でもタイヤが良い状態なので満足だ。今日は思い通りの走りができた。HONDAチームにはウォーター・ポーターがいるので、タイヤを交換することができ、彼らは思いっきりスピードを出して走ることができる。毎日トップ集団にいたままゴールで来たらいいな。ナビゲーションはあまり難しくなかった。日々よい成績なので、自分の走りに満足だ。

 

006 –ホアン・バレダ  (SS4位、総合9位)
トラブルも全く無し、転倒もなく、完璧

全てうまくいっていった。良いペースで走れた。前を行くライダーの埃をかぶりながら走っていたので、何人か追い越したがそれが良かった。メカニックのトラブルも全く無し、転倒もなく、本当にうまくいった。2日間のマラソン・ステージに挑むのに完璧な1日だった。

 

047 –ケヴィン・ベナビデス(SS2位、総合2位)
ロード・ブックに非常に注意を払った

今日はコースをオープンして走った。ダカール・ラリーで初めてのことだった。ミスを犯したくなかったので、少しナーバスになっていた。ロード・ブックに非常に注意を払った。うまくいったと思う。コースは全部指示通りに走れたし、良いペースで走った。パウロが一緒に走って、一緒にゴールに着いた。SSのコースは高速で、変化に富み、かなりテクニカルで面白かった。戦略はシンプル:我々はアシスタンスがないので体もマシンも壊さないことだった。

 

クワッド部門

250 – ラファウ・サノク (SS12位、総合7位)
ゴールできただけで幸せ

エンジンからオイルが少し漏れている。問題は、エンジンにあまりプレッションをかけないよう、オイルが完全にカラにならないようにするため、あまりに慎重に走っていることだ。走りながら、ずーっと今日のゴールに到着できるよう祈っていた。ゴールできるかどうかわからなかった。でも、こうしてゴールにいる。それだけでハッピーだ。

 

オート部門

303 – カルロス・サインツ (SS2位、総合5位)
一日としてトラブル無しのノーマルな日はなかった

えーっと、まぁまぁだね。1回パンクした。交換するのに2,3分タイム・ロスした。今回のダカール・ラリーでは一日としてトラブル無しのノーマルな日はなかったというのは確かだ。

 

314 –セバスチャン・ロエブ (SS3位、総合1位)
マラソンのスピードで走った

今日のSSはかなり長かったが、昨日までのSSほどハードではなかった。スピードを上げたり下げたりが多くて、集中しているのが難しかった。サンチネルが故障したようだが、それ以外は大丈夫なのでうれしい。マラソンのスピードで走った。本来マラソンマンじゃないんだがね。今日のは本格的なSSだった。ナビゲーションはちょっと難しかったが、超難度が高かったわけではない。いろいろ細かいトラブルはあったし、ダニエルがカウントし間違えてカーブでブレーキングが遅れた個所も2,3あったが、すべてのチェックポイントを通過できた。一部本気でアタックしたが、他はクールに走った。

 

302 –ステファン・ペテランセル (SS1位、総合2位)
これまでの仕事のおかげ

むしろいいニュースだ。今年は高地での走行が去年よりずっと良いエンジン調整になった。きちんとバランスよく車が仕上がっていて、まともに走ることができる。私にとって、ダカール・ラリーでプジョーで初めてのステージ優勝だ。うれしいね。一年中この車の為に仕事をしてきたが、やりたかった全部のテストをやってないので、まだどうかわからない。しかも、まだレース3日目だ。今日は最初から、いいリズムで、ナビゲーションミス無しで良いSSができた。これまでの仕事のおかげだ。

 

300 –ナセル・アルアティヤ (SS4位、総合3位)
セバスチャンについていけなかった

簡単ではなかった。アタックしようとしたが、プジョーについていくのは不可能だった。そして、マラソン・ステージなので、タイヤ以外パーツの交換ができないので、気を付けて走らなければならなかった。車を洗うことはできるが、ミスはできない。セバスチャンにぴったりついて走ろうとしたができなかった。彼の車は本当に速い。

 

カミヨン部門

510 – ピヨートル・ベラシウス (SS2位、総合5位)
頭痛がひどくて参った

いい仕事をした。トップでゴールした。この後他のカミヨンが到着するので、我々より速いカミヨンもいるかもしれない。ともかく、いい走りができた一日だった。頭痛がひどくて参った。(第2ステージと今日で)2度目のステージ優勝、うれしい。
注:デローイがこのベラシウスのインタビュー後、SS1位のタイムで到着し、ベラシウスはSS2位になった。

モト部門

003 – トビー・プライス(SS36位、総合9位)
賢く走らなくては

観衆が非常に多かった、飛び出してくる動物も。場所によっては観衆がコースに迫っていて、注意しなければならなかった。(成績のことを聞いて)ほっとしている。まだ3日目だから。明日は良い順番でスタートできるので良かった、トップグループの中に居なければならないのでね。まだこの先いろいろなことがあるだろう。5,6分の差は、この規模のレースではたいしたことではない。僕はできることをやっている、賢く走らなくては。決定的になるのは2週目で、そこでは本気でアタックしなければならない。

 

047 – ケヴィン・ベナビデス(SS1位、総合2位)
え、僕がSS2位?

SS2位でゴールしたって知らなかった。すっごくうれしい。山の中の道路とかあって非常に美しいコースだった。感動したよ。ライディングのナビゲーションも、毎日コンスタントな走りができるようにしていて、すべての面で絶好調。この為にできる限りのことをして1年間準備してきた。でも初めての参加で、まだ3番目のステージだ。冷静を保たなければならない。できるだけコンスタントな位置を保ちながら、毎日の一つひとつのステージをこなす、それが今の僕のすべきことだ。

 

020 – アラン・デュクロ(SS9位、総合5位)
良いポジションにいるよう頑張らなければならない

山の中でミスすると大きなダメージになるので、非常に慎重に走った。それでも終盤、ゴールまであと数kmの所で前を行く集団に追いつき、一緒にゴールした。こんな風なレースのスタートでうれしい。入賞狙いのリーダーたちは、まだこの後の大事なステージを待っているところだと思う。明日か、たぶん明後日の。ダカール・ラリーが始まってもう3,4日目、だからもっと良いポジションにいるよう頑張らなければならない。僕のバイクは絶好調。このタイプのレースには特に向いているんだ。だから僕はそれを最大限生かさなくては。

 

006 – ホアン・バレダ(SS5位、総合3位)
良いペースをキープできた

良い1日だった。コースをオープンしなければならない昨日に比べたら特によかった。今日は7番目のスタート、その方が良いよ。SSの間ずーっと良いペースをキープできた。ゴールの僅差のタイムはあまり問題ない。大事なのはトップグループの中にいることだ。今のところこんなものだ、ナビゲーションの難度が高いコンペティティブなステージを待っているところだ。

 

クワッド部門

253 – イグナシオ・カザレ (SS2位、総合1位)
クワッドに負担をかけないよう走った

けっこう埃が多かった。明日はマラソン・ステージなのでクワッドに負担をかけないよう、スピードを抑えめに走った。昨日はSS優勝、そして今日はSS2位、最高だね。トラブルもなくマイペースで走った。今年は今までの年と違って冷静により戦略的なラリーにしようと決めたんだ。成績が付いてくると良いのだが。良い仕事をして、最終的にトップ3に入れたらいいな。今のところ、ものすごくいい調子だ。走るのが楽しくて仕方ない。もし、また勝てたら、本当に夢が叶うよ。

 

274– ブライアン・バラグァナット (SS1位、総合2位)
生まれて初めて

SS優勝だなんすっばらしい。こんな良い成績は生まれて初めてだ。本当にスペシャル…。でも、ラリーはこの先まだ長い。最初のステージで優勝したからって、ラリーで優勝するってことではないからね。クワッドは好調、最後までこの調子をキープしなくてはならない。去年はとても早くリタイアしてしまったので、今年良いスタートが切れてうれしい。ロードブックにきっちり従って、ミスをしないようにしなくては。ミスコースしないよう良いペースをキープすること、これがこれから続けなければならないことだ。

 

オート部門

300 – ナセル・アルアティヤ (SS2位、総合5位)
プジョーは大きく改善した

今日はリスクを負わないようちょっと準備しただけで、全くトラブル無しだった。セバスチャンはコースをオープンしながらすばらしいタイムを出した。我々は我々の仕事をした。今日は我々は2位になった。彼が非常に腕の良いパイロットで、プジョーが大きく改善したことは知っている。しかし、まだこの先長いので、我々は精一杯の仕事をする。

 

302 – ステファン・ペテランセル (SS5位、総合3位)
今は何秒、何分を競っている場合ではない

思ったより短いコースだったが、ドライブするのに非常に面白かった。スピード制限のゾーンが少し多すぎた感じがする。ブレーキするポイントを見極めるのに非常に慎重にならなければならず、我々は控えめにして、少し早めにスピードダウンするようにした。プジョー・チームはまぁまぁで、まあ大きなトラブルに見舞われていない。今は何秒、何分を競うのではなく、優勝争いの中に残るような走りをしなくてはならない。レース初番のステージで大きく順位を失うことを考えたら、このまぁまぁの位置にいるのは良いニュースだ。セバスチャンがダカール・ラリーを楽しんでくれているのはうれしい。このコースのタイプだったら、世界一速いパイロットが優勝しても不思議じゃない。

本当に思いっきり走れて、素晴らしいSSだった。よく滑ったし、よく猛ダッシュしたし、最初から最後まで非常に面白かった。ナビゲーションはけっこうシンプルで、ダニエルは全くミス無しだった。スクラッチ・タイムで2位は悪くない。しかし、それって明日も我々がコースをオープンしなければならないってことだ。明日のナビゲーションは今日のように簡単じゃないだろう。コースをオープンすることは非常に難しいことではなかったので、今のところ我々の順位に大きく影響はない。今日までのSSはあまりナビゲーションが難しくなく、ダニエルもリラックスして、何のミスも無くすんだ。私はマイペースで走り、こんな風にすべてうまくいっている。この先どうなるかわからないが、我々は勉強するつもりで走っている。だから戦略など立てられないし、疑問もないので、走るだけさ。

全車:リエゾン(移動区間) 350km +SS(競技区間) 314km=合計664km

ロエブとバレダ、見事なパフォーマンス

本日の第3ステージ、スピード競技者に有利なコースと予告されたステージで、まさにその通りになった。セバスチャン・ロエブはプジョーのハンドルを握って見事なデモンストレーションを繰り広げた。モト部門のバレダも同様、HONDAで素晴らしいパフォーマンス。バレダがこれで通算14回目のステージ優勝、総合でトップになった。オート部門でもロエブが総合トップ。

本日のコースは重なる豪雨の影響で、SSが途中縮小され、オート&カミヨンはCP3までの190kmとなった。一方、モト部門は雨や泥に覆われた前半部分がキャンセルになり、CP1(km112,91)からのスタートし201kmのコース。
そして、最初のモトがスタートした8時5分以降も、雷が鳴り響き、時々雨が降る一日となった。

昨夜、レース終了後、スピード違反により全体で74台の競技車がペナルティを課されることになった。ルーベン・ファリア、ソヴィツコなどが1分のペナルティを科され、総合順位の移動があった。

オート部門: ロエブはWRC時代、SSでほかの競技者を“追い払う“仕事をしていた。そして、今日のラリーのSSでもその責任を全うした。多くの競技者を後ろに従え、コースをオープンしながら走るこの「コースのオープン役」はミスが許されない。WRC9度のチャンピョン、ロエブはそのステージをミス無しで走り切った。まだラリーのナビゲーションスキルは2流、しかし全部のチェックポイントをトップで通過した。最終ゴールはまだまだ先だが、少なくとも38回大会で、彼の名を記したことには間違いない。

プジョーは損失を最大限小さくすることに成功し、ライバルに5分以上のタイム差をつけた。ジニエリ・ド・ヴィリエ(TOYOTA)は 5’03”, ステファン・ペテランセル(Peugeot) は 5’15”、ミッコ・ヒルボネン (Mini) は 5’52”。ナセル・アルアティヤ (Mini)は 6’30、シリル・デプレやカルロス・サインツなどプジョーの他の車は10分以上の差。

モト部門: レースは同じように続いているが、残念ながら昨日と同じようなわけにはいかない。トビー・プライスは昨日の活躍を今日再び繰り返すことはできなかった。コースをオープンしながら、常にHONDAのペースを維持しうることができなかったのは確かなようだ。最初のCPで彼はトップ集団からはじき出され、5分以上ものタイム差で10番目の通過となっていた。
SS優勝は地元アルゼンチンのケヴィン・ベナビデス、2位がパウロ・ゴンサルヴェスとHONDAの活躍が光った。今朝2番スタートのルーベン・ファリア(ハスクバーナ)も同様苦しんだ一人、トップと6分以上もの差をつけられることとなった。ファリアはトップとの総合タイムでは差4分近く、8位に後退した。

チームKTMのアントニオ・メオ(5度のエンデューロ世界チャンピョン)が幸いにも素晴らしいパフォーマンスを見せ、暫定タイムでバレダの次につけ、総合タイムでは13位に上昇した。総合タイムでトップはSS4位でゴールしたステファン・ソヴィツコ(KTM)、総合2位はケヴィン・ベナビデス(HONDA)が34秒差で続く。第2ステージで泥に覆われたコースを避けてう回し、僅かにタイムを失ったホアン・バレダ(HONDA) がいつもの快心の走りを見せ、総合3位に上昇してきた。

クワッド部門:トップ2名イグナシオ・カザレとブライアン・バラガナットのライダーのバトルが際立った1日。2番手でスタートしたブライアンが激しく追い上げ、ステージ優勝を果たしたが、イグナシオとの差は3’56”。イグナシオはかろうじて総合1位の座をキープしたが、バラグァナットとの差はわずか4秒しかない。総合3位につけたのは、ブラジル人マルチェロ・メデイロス、トップとの差は6’58”あまり。

カミヨン部門:チェコのマルチン・コロミー(タトラ)が昨日優勝したハンス・スティシー(マン)を抑えてSSトップについた。スティシーは総合トップをキープ、しかし総合2位のチームメイト、ピヨートル・ベラシウスとの差はわずか22秒。総合3位は地元アルゼンチンのフェデリコ・ヴィジャグラ(イベコ)、SS3位になって上昇した。

 

ビデオ映像:http://www.dakar.com/dakar/2016/us/stage-400/videos-galery.html