Category : レポート

2015/1/10  第7ステージ :イキケ–ウユニ
モト&クワッド  休息日
オート     :リエゾン:392km  スペシャルステージ:321km   リエゾン : 4km
カミヨン    :リエゾン:101km  スペシャルステージ:335km  

本日のコース

モト&クワッド部門は休息日

そして、オート部門はチリのイキケ→ボリビアのウユニへ向かい、カミヨン部門はビバークの東側の山麓部を回ってイキケのビバークの南東約60㎞に設けられたマラソン・ビバークに入るという別々のコース。
マラソン・ステージのビバークには競技者のみ入れるので、チームのメカニック・サポートが受けられない、人にもクルマにも難しい、ダカール・ラリーの山場となるコースで、今日はその2日間のマラソン・ステージの1日目。

オート部門は、朝5時にイキケのビバークをスタートした後、僅か200kmで標高3500mに達するという山登りのリエゾンでSSスタート地点に向かう。その後、SSは標高3700m地点をスタート、時に標高4000m近い所までの山岳の中を登ったり下りたりしながら、ウユニ湖のビバークと続く。コースは多くの分岐があり、的確なナビゲーションが求められる一方、高地でのパフォーマンスが勝負を分けることになろう。
一方カミヨン部門は101km北東に移動後、SSの大部分が昨日のSSを反対の方向に向かって走るコースで、ゴール手前は40kmほどの砂丘。

テラノヴァSSを制し、ド・ヴィリエタイムを縮める

総合ではトップと離れていながら、テラノヴァがイキケからウユニ湖に向かう山岳コースで猛アタックを掛け、今大会3度目のステージ優勝を果たした。一方、総合順位でトップのアルアティヤを追うド・ヴィリエは、今日のSSで3分ものタイムを縮めた。

オーランド・テラノヴァにとっては何とも今大会の4つ目のステージが悔やまれる。地元アルゼンチンでブエノス・アイレスの1日目SS優勝と華々しいスタートを切ったにもかかわらず、4日目のステージの72km地点でメカ・トラブル、トップと6時間半近いタイム差でゴールし、優勝争奪戦から離脱してしまったのだった。テラノヴァは地元だけでなく、ここ隣の国チリでもその才能ぶりを発揮、3度目のSSを制した。TOYOTA ハイラックスのヤジード・アラルヒに2’20”の差だった。そして、SS3位もチームメイトのベルンハルト・テンブリンケ。SS4位のクシシュトフ・ホロウィッツ(MINI)と共にトップとの差3分以内にゴールした。総合順位も上げ、アラルヒ総合3位、ホロウィッツ4位、テンブリンケ5位となった。

一方、ジニエリ・ド・ヴィリエにとってもSSをトップと6’50”の差で6位のゴール、嬉しい一日になった。これで総合トップのナセル・アルアティヤに3分ものタイムを縮めることができたのだ。今朝最初にスタートしたナセル・アルアティヤのMINIは高所病にかかったのか、途中何度かストップしていた。

SS序盤で驚くようなスピードを見せたステファン・ペテランセルはトップとの差、10分あまりでSS8位、後続のロビー・ゴードンとわずか5秒差だった。

カミヨン部門では、アレス・ロプライス(MAN)が今大会初めてのステージ優勝。最初から猛烈に飛ばし、SS2位のジェラルド・デ・ローイ(IVECO)に5分あまりの差をつけてゴールした。結果、アレス・ロプライスは総合順位も大きく上昇、5位につけた。

昨日まで総合トップ、今朝の第1走者のエドワルド・ニコラエフ(KAMAZ)はCP4-CP5の間でトラブル、なんと1時間以上ものタイムを失ってしまった。総合順位は4位に後退した。チームメイトのアイラット・マルデーブ、アンドレイ・カルギノフがそれぞれ総合1位、2位に上がった。

映像 ⇒ http://www.dailymotion.com/video/145211466

2015/1/9  第6ステージ :アントファガスタ- イキケ
モト&クワッド   :リエゾン:322km  スペシャルステージ:318km  リエゾン:48km  
オート&カミヨン  :リエゾン:322km  スペシャルステージ:277km  リエゾン:48km

本日のコース

太平洋に沿って北上し、イキケへ向かう。モト&クワッドは、途中オート&カミヨンのコースと別れ、海岸べりのエンデューロ・タイプのコースに入る。その後、全競技者が巨大で長い砂丘に入り、ビバークへ。しかし、今年は恒例の巨坂下りはない。今回初めて、イキケの市内にビバークが設置されている。昨年大きな地震に見舞われたこの地域の人々が、ダカール・ラリーとの再会を心待ちにしている。

ロドリゲス、ようやく表舞台へ、アルアティヤ、さらにクギを打つ

ブエノス・アイレスのスタート以来、あまり目立った活躍のなかったロドリゲスだが、ここにきて過去5回のステージ優勝を持つ底力を見せつけた。イキケで1つ追加されたから通算6度目のステージ優勝だ。アルアティヤはブエノス・アイレス出発以来イメージしていた通りに、SSゴールをトリオで通過できた。しかし、ド・ヴィリエの追い上げに脅かされる総合タイムだ。

超コンスタントに上位につき、野心家のエルダー・ロドリゲス(ポルトガル)は、常々彼がSS優勝していないのを不思議がられるほどの実力の持ち主。2011年2012年にそれぞれ2度のステージ優勝を果たしたものの、南米で行われているダカール・ラリー2015は彼には微笑まないのかと思われていた。昨日の総合順位は10位、期待通りとは言えない。しかし、この318kmのSSを完璧にこなし、2位のトビ―・プライス(KTM)に2’20”のタイム差でSSゴールを通過した。SS2位のオーストラリア人、プライスは初参加にして、ナビゲーションの才能、走りの腕前を披露した。

パウロ・ゴンサルヴェス はトップと1’42”差でSS3位につけ、バレダ &コーマとのタイムを縮めた。HONDAの伏兵ゴンサルヴェスは総合タイムでトップと17分差、続くパブロ・キンタニーヤ(KTM)には27分もの差をつけ、きっちり3位を守る。後者はSS4位、総合でも4位だ。

トップ争いを続けるホアン・バレダ とマルク・コマ、今日も一緒にトップ・グループの後方をややスピードを抑え気味に走った。SS初盤でコマが軽い転倒し、そこでバレダは昨日失った2分を挽回した。

一方ジョルディ・ビジャドムス(KTM)は途中ストップして大きくタイム・ロス、トップとの差35分あまりでゴール、優勝争奪戦から退いた。

クワッド部門は地元チリ人イグナシオ・カザレが、ダカール・ラリー2度目の総合優勝への意欲を示すかのように猛アタック、ライバル、ラファウ・サノクに6分あまりの差でゴールした。しかし、総合タイムで16分あまりの差でサノク(ポーランド)がトップを引く。総合3位はセルヒオ・ラフエンテ(ウルグアイ)、41分もの差をつけられている。

オート部門、ナセル・アルアティヤは総合トップにいるだけでは飽き足らず、今日もMINIのSS優勝を重ねた。今大会6度のステージのうち3回優勝し、彼の速さを印象付けている。しかし、ライバル達もおとなしく彼ひとりにトップを譲っているわけではない、ジニエリ・ド・ヴィリエが37秒、ナニ・ローマ1’42”、ロビー・ゴードンも1’45”という僅差でSSをゴールする。ド・ヴィリエは総合順位でも2位につけ、わずか11分あまりの差で、逆転を虎視眈々と狙う。

ナニ・ローマとロビー・ゴードンは、今日の好成績にもかかわらず、総合タイムはトップから大きく離れており、総合3位はヤジード・アラルヒ、4位はクシシュトフ・ホロウィッツが抑える。

プジョーのステファン・ペテランセルは途中140km辺りでメカ・トラブルでストップ、30分あまりのタイムを失った。

カミヨン部門、4/6、エドワルド・ニコラエフ(Kamaz)の今大会のSS優勝回数だ。なんという強さ!チームメイトのアイラット・マルデーブに5分以上、アンドレイ・カルギノフに10分以上の差でSSをゴールした。そして総合順位では、KAMAZが1,2,3,4位を押さえている。

映像 ⇒ VIDEOS:Stage6 http://www.dailymotion.com/video/145104514

2015/1/8  第5ステージ :コピアポ* - アントファガスタ
リエゾン:174km  スペシャルステージ:458km  リエゾン:65km

今日のコース :
今大会初めての全競技者が同ルートのコース。SS初盤はアンデス山麓に沿ったグラベルのスピード・コースだが、時折フェシュフェッシュで覆われた場所や、リオ(涸れ川)の底を通過するなど多くの罠が潜んでおり、常に集中が必要。

コマがトーン・アップ, ワシリエフ初優勝
ブエノス・アイレスの第1ステージ以来、熾烈な争いを続けているバレダ とコマ、2’16”差でコマが2015大会初めてのステージ優勝を果たした。一方バレダ はパニックすることもなく、総合順位でトップの座を余裕で維持する。オート部門ではワシリエフ(ロシア)が初めてのステージ優勝。

もしホアン・バレダ がマルク・コマほどの経験が無いとしたら、彼は相当利口なライダーのようだ。昨日のチレシト―コピアポのステージでKTMのコマに2分のタイムを広げたバレダ 。彼は今日は第1走者でコースをオープンして走る。しかし、彼がトップを引いたのは30kmあまり。オープン役をコマに譲り、その後ろをついて走った。バカなミスをすることもなく余裕のスピードに乗って。機知にたけた戦略、なぜならSS優勝をコマに譲ったところで、わずか2分あまり、総合タイムは余裕の10分の差があるからだ。アントファガスタのSSゴールでバレダ は大きくアドバンテージを手にしている。コマが2015大会の初のステージ優勝に酔いしれようが、この後にマラソンステージが待っていようがなんのそのだ。

シェフ2人がトップ争いを繰り広げている後方では、パブロ・キンタニーヤが新たにのし上がってきた。ダカール・ラリー参戦3度目にして(過去2度はリタイアだったが)、地元チリでSS3位という殊勲を上げた。結果、総合順位も4位に浮上した。総合3位にはしっかり3位を守るパウロ・ゴンサルヴェス がおり、10分あまりのタイム差がある。

そして、スロバキア人ステファン・ソヴィツコがミスもなくコースをクリアし、トップと 3’54”差でSS4位につけた。一方でジョルディ・ビジャドムス(KTM)、ルーベン・ファリア(KTM)らは大きなタイム・ロス。HONDAチームが2,5,6,7位、KTMが1,3,4位と押さえる中、Yamahaチームは上位からほど遠い順位。

クワッド部門は、昨日からポーランド人、ラファウ・サノクが総合トップに立っていたが、今日のSSでも次席のイグナシオ・カザレに10分あまりのタイム差をつけてステージ優勝を果たした。総合タイムではライバルに24分もの差をつけ、トップの座がますます安泰してきた。

オート部門、今朝のSSを11番目でスタートしたウラジミール・ワシリエフが無名のパイロットを脱け出て、一躍その名を知られることとなった。ダカール・ラリー参戦3度目、今年、今日の485kmのSSで気合を入れ、大きく飛躍した。SS前半で既に前を走るヤジード・アラルヒに6分もの差をつけてCPを通過、最後のSSゴールを同者に20秒差で通過した。

ロビー・ゴードンも今日は奮闘、最初の日にSS3位という輝かしい成績を取りながら翌日は50位に落ち、3日目には15位に上がり、4日目は47位、そして今日はSS3位となんとも上下が激しい。総合順位は昨日と同位置のまま39位。

総合順位ではナセル・アルアティヤがトップをキープ、続くジニエリ・ド・ヴィリエに2分あまりの差。
プジョーのステファン・ペテランセルは6位でSSをゴール、カルロス・サインツは転倒してダカール・ラリーを離脱、そしてシリル・デプレは故障で長時間ストップ、トップと1時間以上の差でSSゴールとなってしまった。MINIのクシシュトフ・ホロウィッツはトップと 8’49”差でSSをゴールし、総合でも4位につけた。

カミヨン部門、コピアポの今朝のSSを第1走者アイラット・マルデーブ(Kamaz)に続いて2分後にスタートしたエドワルド・ニコラエフ(Kamaz)、後者が昨日に続いて2度目のステージ優勝を手にした。総合順位も、チームメイトのマルデーブに代わって、ニコラエフがトップにたった。
SS1,2をKamazのロシア人が抑える一方、ベラルーシのヴィアゾヴィッチがSS3位につけた。アンドレイ・カルギノフ(Kamaz)はSSの後半部でトラブル、20分あまりタイム・ロスし、総合でも4位に後退した。
菅原父子、ジュニア照仁がSS22位、父義正SS36位、総合順位ではそれぞれ21位、33位といつもながら巨人の中の小人の驚異の成績を続けている。

映像 ⇒ VIDEOS:Stage5 http://www.dailymotion.com/video/144987675

2015/1/7  第4ステージ :チレシト- コピアポ
モト&クワッド,オート :リエゾン:594km  スペシャルステージ:315km    
カミヨン  :リエゾン:594km  スペシャルステージ:174km  

今日のコース
アルゼンチンを出て今日はチリに入る。かなり早い時間にビバークを出発し、リエゾンで高度4800mのサンフランシスコ峠を抜けてアンデスを山越する。続く315kmのSS (カミヨン部門は174km)は鉱山の中のピストから、次第にアタカマ砂漠へと侵入する。徐々に空間が広がり砂路面になって、コピアポのゴールまで40kmは大きな砂丘ステージ。

バレダ とアルアティヤが総合トップに
SSでは終日、トップを引くマルク・コマについて走っていたホアン・バレダ 。しかし最後の十数kmで追い越し、今大会2度目のSS優勝を果たした。HRCチームのライダーはレースが始まってわずか4日で総合順位トップの座についた。
同じ戦略でアルアティヤも熾烈なライバル争いから抜け出し、トップでゴール、本日のSSを制した。

チレシトのスタートをトップでスタートしたホアン・バレダ は余裕のタイム差があるので無理な走行はしない。経験豊かで速いマルク・コマについて、バレダ はさらにタイムを縮められるよう速いスピードにのって理想的な位置でSSを走行した。しかし競技者の意地として、バレダ はおとなしくライバルKTMに2015大会の優勝旗を譲るわけにはいかない。SS最後で巻き返し、今大会2度目のステージ優勝を果たした。ダカール・ラリー4度の総合優勝者マルク・コマは、明日から反撃にかかって来るに違いない。

一方、総合2位にいたチームメイトのパウロ・ゴンサルヴェス は、絶好調のチームメイトをよそに15分ものタイムをロスし、SS12位と後退してしまった。ライバル、ルーベン・ファリア(KTM)も同様トップと11分遅れのSSのゴールで、総合タイムはリーダーと23分もの開きができた。
チリ人パブロ・キンタニーヤ(KTM)が地元に花をもたらすべく奮闘、トップと3分あまりの差でSS3位のゴール、総合でも6位に浮上した。SS4位はジョルディ・ビジャドムス(KTM)、11分近い差でSSをゴールし、総合で5位につける。昨日のステージ優勝者、マチウス・ウォークナーは23分ものタイム・ロス、総合タイムでトップとの差33分になった。
女性ライダー、ライア・サンスはSS8位と素晴らしい走りを見せた。総合12位に浮上。

クワッド部門ではラファウ・サノクが、1日目2位、2日目4位、3日目3位、そして4日目の今日ついにSS優勝を果たした。総合順位でトップに浮上したポーランド人サノクはこのコピアポのステージで、輝かしい成功を手に入れ、併せて総合タイムでもライバルたちと大きく差を広げた。地の利を得たチリ人、イグナシオ・カザレのみがSSで3分半ほどのタイムでゴールしたが、他のライバルたち、モハメッド・アブイッサやラフエンテは13分以上の差でのSSゴールだった。

オート部門、カタール人、ナセル・アルアティヤは終日トップ集団の中で走り、最後の砂丘ステージに入って大きく他を引き離した。いかなる路面でも怖いもの無しというところか。チームメイトであり2014年大会総合優勝者、ナニ・ローマも奮闘、2’40”差でSS2位につけた。しかし、MINIを脅かすTOYOTA Hilux のジニエリ・ド・ヴィリエもトップとの差2’57”でSS3位につき、総合順位で2位。最終ゴールのポディウムを虎視眈々と狙う。
TOYOTA Hiluxチームは、サウジアラビア人ヤジード・アラルヒ、オランダ人テンブリンケらがそれぞれSSを3位5位でゴールし、総合タイムで2位、3位、4位を押さえるステージとなった。アラルヒはダカール・ラリー初参加の驚きの成績だ。

プジョーに乗るステファン・ペテランセルはCP5を素晴らしい走りで飛び込んできたが、熱意が大きすぎたか、チェックポイント2mのところでパンク。それでもトップと5’48”の差でSSを終えた。
チームメイトのカルロス・サインツはスタート後30kmあまりの地点でメカ・トラブル、長時間ストップして総合優勝への夢が断たれた。
同じく失意の一日となったオーランド・テラノヴァ、総合3位で今朝3番目にスタートしたが、72km地点でストップし、優勝候補から外れることとなった。
チーム・ランドクルーザー・トヨタオートボディチームのジボン、三橋がトップから1時間ほど遅れて、それぞれ41位、43位でゴールし、61台がSSゴールを通過した現在(現地時間22時)、まだゴールできていない。
ロビー・ゴードンもまだコピアポに着いておらず、トップとの時間差は数時間となってしまう。

カミヨン部門では、アンドレイ・カルギノフ、エドワルド・ニコラエフ、アイラット・マルデーブのKamaz3台が1,2,3フィニッシュを果たした。カルギノフはトップ・タイムでSSゴールを通過したが、その後の判定で1分のペナルティを科され、ステージ優勝はニコラエフのものとなった。総合でもKamazが゙1,2,3を押さえ、ライバル、アレス・ロプライス(MAN),ハンス・スティシー(IVECO)が10数分差で追う。カミヨン部門は1度のトラブルでも大きくタイムを失うので、いつ交代劇があるのか目が離せない。

映像 ⇒ VIDEOS:Stage4 http://www.dailymotion.com/video/144824967

2015/1/6  第3ステージ :サン・ホアン- チレシト
モト&クワッド   :リエゾン:282km  スペシャルステージ:284km  リエゾン:232km  
オート&カミヨン  :リエゾン:26km  スペシャルステージ:220km  リエゾン:155km

今日のコース:
競技者らがかなり遅くビバークに到着することとなった今大会最長SSの昨日のステージで競技者らにかかったプレッシャーは、今日のチレシトへのコースで解放されることだろう。それほど難度の高くない短い今日のSSで、ようやく競技者らは壮大な景色を楽しむこともできるに違いない。切り立ったキャニヨンの中を抜ける赤い土のピストは、アルゼンチンでも指折りの美しい地域。ただし、モト&クワッド競技者は、非常にマシーンにダメージを与えやすいコースで、景観どころではない。

ウォークナー、サプライズのSS優勝、テラノヴァ反撃

ダカール・ラリーの新米は全部が全部“ゆっくり”走るのではなさそうだ。KTMライダー、マチアス・ウォークナーは少なくとも、これまで新米はゆっくりのイメージを覆し、ダカール・ラリーで初のステージ優勝をはたした。オート部門ではオーランド・テラノヴァが2度目のSS優勝。

ダカール・ラリー初参加にして、1日目SS8位、翌日の最長SSステージで6位、そして、今日はSSトップ。マチアス・ウォークナーはダカール・ラリー勝利の道を最短で上った。MX1-MX3でトリプルチャンピョン、オーストリア人ウォークナーは今日のSSでCP2を通過する時既にトリオのトップにおり、その後チレシトへのコースをオープンして走った。そのルーキーと共に終日走ったマルク・コマは40秒遅れでSS2位。昨日のステージ優勝者ホアン・バレダ総合トップをキープ、ウォークナーにわずか40秒しか許していない。

SS4位はトビー・プライス、今日もそのルーキーの好調ぶりを示した。総合順位ではホアン・バレダ のチームメイト、パウロ・ゴンサルヴェス が2位を守る。アラン・デュクロ(Sherco)はSSゴール手前で絶妙なパフォーマンスで6位にすべりこんだ。女性ライダー、ライア・サンスが総合17位につける。

クワッド部門では、トップグループの常連、アルゼンチン人ルカス・ボネットが14位からごぼう抜きにライバルを追い越し、SSをトップで通過するという素晴らしいパフォーマンスだった。CP2をトップで通過したセバスチャン・ハルペルンは、ゴール手前で追い越され、58秒差でSS2位となった。総合トップにいたラファウ・サノクは2’14の差でSS3位のゴール、トラブルに見舞われ大きくタイム・ロスしたイグナシオ・カザレは総合で大きく後退した。総合順位では、サノクが15分のペナルティを受け総合3位に。そして、総合トップはウルグアイ人セルヒオ・ラフエンテが躍り出た。

オート部門、地元アルゼンチンのテラノヴァがみすみすチームメイトのアルアティヤがトップを引くのを見逃すわけにはいかない。知り尽くした地の利を生かし、見事SS優勝を勝ち取った。CP1までテラノヴァの前を走っていたジニエリ・ド・ヴィリエとアルアティヤだが、ド・ヴィリエはテラノヴァに続いてSSゴールを1分54秒差で通過し2位。

総合順位では、ナセル・アルアティヤがトップをキープ、5分あまりの差でToyotaのジニエリ・ド・ヴィリエが追う。

プジョーチームのカルロス・サインツ、今日はそのチカラを示し、SS4位でゴール。総合でも4位に浮上し、最終ゴールのブエノス・アイレスでの優勝も圏内にはいった。ステファン・ペテランセルも奮闘、SS7位でゴール。さらに、彼のかつてのチームメイト、ナニ・ローマも水面から顔を出し、SS6位でゴール。今朝3番目にスタートしたベルナール・テンブリンケは30分ものタイム・ロスで8位に後退した。

カミヨン部門では、アイラット・マルデーブ(Kamaz)が1日目6位、2日目3位、そして今日はSS優勝と日に日に浮上した。そして2014年の総合優勝のアンドレイ・カルギノフ(Kamaz)も2分あまりの差でSS2位、トップと 4’30差でジェラルド・デ・ローイが3位のゴールだった。総合順位ではアイラット・マルデーブがライバル、アレス・ロプライス (Man)に8分もの差をつけている。

映像 ⇒ Stage3 http://www.dailymotion.com/video/x2e5gmg_stage-3-car-bike-stage-summary-san-juan-chilecito_auto

2015/1/5  第2ステージ :ヴィージャ・カルロス・パス  – サン・ホアン
リエゾン:26km  スペシャルステージ:518km  リエゾン:81km  
カミヨンのみ :リエゾン:26km  スペシャルステージ:331km  リエゾン:289km

本日のコース :
昨夜ゴールした後, 休息はほんの一瞬にしか思えないことだろう。2日目今日のサン・ホアンへのコースは、大会でも最も長いSSのコースで、盛りだくさんな1日が待っている。SSの初盤は堅い岩盤、そして砂埃ステージへと続き、ゴール手前で砂路面へと。本格的なレースにかかり、コンスタントな集中力を維持することが本日の成功のカギとなる。

バレダとアルアティヤがステージを制する

昨日の最初のスピードステージで、勝つより譲るほうを選んだ賢い競技者、ホアン・バレダ は今大会最長のSSに全力を投入し、ライバルたちに大きく差をつけて優勝した。サム・サンダーランドはゴール手前70kmで、(かなり)長時間にわたってコースを失いタイム・ロスした。

オート部門ではナセル・アルアティヤがライバルに8分30秒もの差をつけてSSトップでゴールした。今日のコースはいかなるレベルの競技者にせよ、大きなダメージを受けたコースであったに違いない。

ホアン・バレダ 、既にSS優勝を10回も重ねている。しかし、その彼はこれまで総合7位に甘んじる結果だった。今日は、今大会こそ成績を残すという彼の意欲を充分証明できるような成果となり、これまでチームHRCとコラボレーションを組み続け、この第2ステージでバレダ はチームHRCの期待に応えることができた。518㎞もの超ロングステージを、彼はマルク・コマ、サム・サンダーランドと終日戦い抜いた。マルク・コマはゴールあと60㎞というところで、タイヤがバースト、SS優勝が砂上に消え、昨日のSS優勝者サンダーランドは2時間ものタイム・ロス、最終的にバレダ が優勝旗を勝ち取った。

一方、パウロ・ゴンサルヴェスはホアン・バレダ と6分のタイム差、再び2位。総合トップを狙える優位な順位だ。SS3位は鎖骨の手術を2か月前に受けたばかりのルーベン・ファリア、トップと9分差でつけた。その4秒遅れでジョルディ・ビジャドムス、そして、ルーキー、トビー・プライスとマチアス・ウォークナーが5,6位にゴールし、関係者を驚かせた。

クワッド部門では、ラファウ・サノクがライバル、イグナシオ・カザレ、セルヒオ・ラフエンテを押さえ、素晴らしいSSを展開した。サノクは昨日のSS優勝者を追い越し、3’33”の差でゴール、総合順位がトップに躍り出た。

一方オート部門、昨夜スピード違反で2分のペナルティを科されたナセル・アルアティヤ、今日はそのトップレベルのスピードを示すかのようにライバルたちに大きなタイム差をつけてゴールした。昨日同様、チームメイト、地の利を得ているオーランド・テラノヴァとの激しいバトルを繰り広げたが、ゴール手前で20分ものタイム・ロスを喫するアキシデントにより、アルアティヤにSS優勝をさらわれた。

そしてジニエリ・ド・ヴィリエが、トップとわずか8分差で2位につける傍ら、同じToyota Hiluxに乗るオランダ人、ベルナール・テンブリンケが参戦3度目にして3位でゴールと言う快挙を成し遂げた。

そして、SS4位でゴールしたのは、クシシュトフ・ホロウィッツ、昨日と同順位で、虎視眈々と最終ゴールの優勝チャンスを窺う。プジョー 2008に乗るカルロス・サインツは既にトップと26’50”の差、チームメイトのステファン・ペテランセル、シリル・デプレもナセル・アルアティヤに1時間もの遅れでゴールした。ロビー・ゴードンにとっても苦難の1日だったようで、SSに入って間もなくメカ・トラブル。ナニ・ローマもレースを続けているものの、ポディウムからほど遠い順位だ。

カミヨン部門では、昨日のKamazチームの無念を覆し、エドワルド・ニコラエフがSSを制した。2位のビエロルース・シアルヘルビアソビッチにわずか46秒の差。そして3位もKamazのアイラット・マルデーブが昨日のSS優勝のハンス・スティシーを押さえてゴール。しかし、総合順位ではハンス・スティシーが20秒差でトップを維持している。2014年大会で圧倒的な強さを示したアンドレイ・カルギノフ(Kamaz)とジェラルド・デ・ローイ (Iveco)らはトップに5分の差をつけられている。

映像 ⇒ Stage2 http://www.dailymotion.com/video/x2e368a_stage-2-car-bike-stage-summary-villa-carlos-paz-san-juan_auto

1月4日  第1ステージ : ブエノス・アイレス – ヴィージャ・カルロス・パス
リエゾン:144km  スペシャルステージ:175km  リエゾン:519km  

本日のコース :
ダカール・ラリー最初のステージはアルゼンチンの田舎を走り抜けるコースとなる。全体にあまり難しくない高速コース。だが高速の中、多くの急カーブがあり、ドライバーの腕が試され、ダカール・ラリー最初のSSで力まないことが肝要だろう。そしてSS(競技区間)の後には、ビバークまで長いリエゾンとなる。

ローマ 大きな損失, 光るサンダーランド
オート部門タイトル保持者、今大会の優勝有力候補ナニ・ローマが大会最初のSSでメカトラブルのぎせいになった。ビバークに到着したものの、MINIでの優勝はライバルに譲らなければならない結果となった。モト部門では、サム・サンダーランドが最初のSS優勝旗をKTMにもたらした。

2015年大会最初のステージは合計406台、(モト161台、クワッド45台、オート137台、カミヨン63台)がスタートした。

オート部門、タイトル保持者ナニ・ローマのMINI がなんと、SSに入って3kmほどの所でオイルの警告ランプが点滅、10kmあまりの所でストップした。チームメイトのカミヨンを待って修理し、牽引されてゴールに到着、トップとの差、6h26だった。

MINIチームメイトのナセル・アルアティヤはステージ最初からその意欲を示し、第1SSをトップでゴールした。だが、コントロール地点でオーバースピードとの理由で、2分のペナルティを貸され、総合順位は7位に終わった。同じくMINIの地元アルゼンチン人、オーランド・テラノヴァは、一時9位に落ちながらも途中盛り返し、チームX-Raidの他のメンバーを押さえて、優勝旗をもたらした。

第1SSの常連優勝者ロビー・ゴードン、本日もトップとの差42秒で総合2位につけた。Toyotaのジニエリ・ド・ヴィリエも3位でゴール、幸先良い結果だった。期待のプジョー、カルロス・サインツが8位、ステファン・ペテランセルは10位、そして、今大会モト部門からオート部門に移籍したシリル・デプレは、トップとの差10分あまりのゴール、33位。

一方モト部門、過去2度の大会で不運な結果にあったサム・サンダーランドだが、2014大会では2度のSS優勝というその才覚を既に見せていた。そして、今大会最初のSSで、スピードコースを難なくクリア、KTMに優勝旗をもたらした。チームメイトであり、ライバルのマルク・コマに1分以上の差をつけてのゴールだった。

2013年ワールドチャンピョンのポルトガル人、パウロ・ゴンサルヴェスは前大会の第5ステージで愛車HONDAが燃えるのを涙で見守った。今大会初のSSは、サム・サンダーランドに5秒差で2位のゴールだった。

3位がスペイン人マルク・コマ、4位はHONDAのホアン・バレダ、5位にマリと仏人の混血、アラン・デュクロ(Sherco)がつけた。モトクロスからやってきたルーキー、マチアス・ウォークナーは8位と素晴らしい成績。

クワッド部門では、最初のスピード・ステージ、チリのイグナシオ・カザレが制した。そしてわずか1分あまりの差で、昨年優勝のポーランド人、ラファウ・サノクが2位、ウルグアイのセルヒオ・ラフエンテがサノクに遅れること20秒あまりで3位になった。大会2度目の参加のアルメイダ・ポワンテがなんと4位でゴール、カタール人モハメッド・アブイッサが5位でのゴール。

カミヨン部門では、KAMAZチームの圧勝の予想に反して、本日のスピード・ステージはオランダ人ハンス・スティシー(IVECO)とマルセル・ファンフリート(MAN)が1,2でゴールした。そして、3位はわずか47秒差でMANのアレス・ロプライス。

映像 ⇒ Stage1 http://www.dailymotion.com/video/x2e0is7_stage-1-car-bike-stage-summary-buenos-aires-villa-carlos-paz_auto